【2025年版】InstagramのDM活用術|その他大勢から「特別な一人」になるための、究極の対話戦略

多くの企業アカウントにとって、InstagramのDM(ダイレクトメッセージ)は、キャンペーンの当選連絡や、時折寄せられるクレームへの対応といった、どこか一方的で、受動的なコミュニケーションの場になってはいないでしょうか。

しかし、その「個室」とも言えるクローズドな空間にこそ、顧客との間に金銭では決して買えない特別な絆を育む、無限の可能性が眠っています。

この記事は、DMを単なる「メッセージ機能」から、「フォロワーを熱狂的なファンに変える、最も強力なエンゲージメントエンジン」へと捉え直すための、具体的な思考法と実践的なテクニックを、余すことなくお伝えします。

DMは、ブランドの世界観を伝える「個室」。公開の場ではできない、深い対話の始め方

フィード投稿やストーリーズが、ブランドの世界観を不特定多数のオーディエンスに向けて発信する「劇場」だとすれば、DMは、たった一人の顧客と真摯に向き合い、その人のためだけに時間と意識を注ぐ、特別な「個室」です。

この個室での体験の質こそが、顧客ロイヤルティを決定的に左右します。

重要なのは、事務的な要件を効率的に伝えることだけではありません。

むしろ、相手への共感や感謝の気持ち、そして時にはブランドとしての「人間味」や「弱さ」さえも垣間見せるような、血の通ったコミュニケーションを心がけることが、顧客の心を動かすのです。

【関係深化編】フォロワーを「ファン」に変える、DMコミュニケーションの4階層

顧客との関係性は、一夜にして築かれるものではありません。

DMでの対話を通じて、段階的に、しかし着実に深化させていくことが可能です。

自社のコミュニケーションが、現在どの階層に位置しているのかを客観的に把握し、次のステップを目指しましょう。

階層コミュニケーションの目的具体的なアクション例
①反応(Reaction)相手のアクションに気づき、感謝を伝えるストーリーズでのメンション投稿に対して、すかさず「素敵な投稿ありがとうございます!嬉しいです!」と、感謝の気持ちをリアクションする。
②共感(Empathy)相手の気持ちに寄り添い、深い理解を示す商品に関する質問DMに、ただ機械的に回答するだけでなく、「〇〇な点、確かに分かりにくいですよね。ご不便おかけして申し訳ありません」と、まずは相手の感情に共感の言葉を添える。
③貢献(Contribution)相手の課題解決に、積極的に、そして献身的に関わる「こんなことで困っている」というDMに対し、自社商品やサービスの紹介に終始せず、時には競合他社の商品や、業界の専門家を紹介するなど、相手の利益を最優先に行動する。
④共創(Collaboration)相手を「パートナー」として、ブランド活動そのものに巻き込む特に熱心なファンに対し、「もしよろしければ、今度開発中の新商品の企画会議に、ユーザー代表としてご参加いただけないでしょうか?」と、ブランドを共に創る「共犯者」としての特別な体験を提供する。

【神対応編】事務連絡を「感動体験」に変える、たった3つのルール

フォロワーから寄せられるDMへの返信は、顧客満足度を劇的に高める絶好の機会です。

以下の3つのシンプルなルールを徹底するだけで、あなたの事務的な返信は「神対応」へと昇華し、ファンの心を強く、深く鷲掴みにします。

1.即時性(Speed): 問い合わせや質問に対しては、可能な限り迅速に、できれば24時間以内に一次返信を行うことを鉄則とします。返信のスピードは、そのまま誠意の証として相手に伝わります。
2.個別性(Personalize): 誰にでも送れるテンプレートの定型文ではなく、相手のプロフィールや過去の投稿に目を通した上で、「〇〇ちゃんの投稿、いつもお洒落で参考にさせていただいています!」といった、その人にしか送れないパーソナルな一文を加えます。
3.期待超過(Surprise): 質問にただ答えるだけでなく、常にプラスアルファの価値を提供することを意識します。例えば、商品の使い方を質問されたら、テキストでの説明に加えて、より分かりやすい解説動画のURLを送ってあげるなど、相手の期待をほんの少しだけ上回る工夫が、忘れられない感動体験を生み出します。

【営業編】売り込み感ゼロで、自然と売れる「相談室」としてのDM活用術

DMを使った営業で最もやってはいけないのが、初対面であるにもかかわらず、いきなり自社の商品やサービスを一方的に売り込むことです。

それは営業ではなく、ただのスパムであり、即座にブロックされて終わりです。

真に効果的なDM営業とは、自らを「営業マン」ではなく、顧客一人ひとりの課題に親身に寄り添う「相談員」と位置づけることから始まります。

・ステップ1:価値提供: まずは、相手にとって有益な情報(ノウハウ、市場データ、お役立ち情報など)を、一切の見返りを求めずに提供することから関係をスタートさせます。
・ステップ2:課題のヒアリング: 自然な対話の流れの中で、相手が今どんなことに悩み、何を解決したいと願っているのかを、巧みに、そして丁寧にヒアリングします。
・ステップ3:解決策の提案: ヒアリングした課題に対して、自社の商品やサービスがどのように貢献できるのかを、相手の状況や文脈に合わせて、オーダーメイドで提案します。

まとめ:DMを制する者が、顧客の心を制する

これからの時代、企業と顧客の関係は、マス広告による画一的で一方的なアプローチから、DMのようなOne to Oneの対話を通じて、一人ひとりの顧客との間に深く、長期的な信頼関係を築いていく「リレーショナルなマーケティング」へと、間違いなく移行していきます。

DMを制する者が、顧客の心を制するのです。

株式会社but artは、そのための戦略設計から、心の通ったコミュニケーションの実行までを、貴社の最高のパートナーとして支援します。

執筆者プロフィール

株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。

大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。