「毎月高額な費用を払っているのに、成果が見えない」
「投稿内容がブランドイメージと違う」
「結局、自社にノウハウが何も残らない」——。
SNS運用を代理店に委託している多くの企業が、このような課題に直面しています。
本記事は、そのような状況を打破し、SNS運用を自社の強力な武器に変えるための「内製化」をテーマにした完全ガイドです。
単なる手順の解説にとどまらず、弊社が大手企業の支援で培った実践的なノウハウを基に、目的設定から体制構築、マニュアル作成、そして段階的な移行まで、具体的な5つのステップを詳細に解説します。
この記事を最後まで読めば、代理店依存から脱却し、コストを最適化しながら、持続的に成果を生み出すSNS運用体制を構築するための、明確なロードマップが手に入ります。
なぜ今、SNS運用の「内製化」が最強の選択肢なのか?
内製化を検討する前に、そのメリットとデメリットを正しく理解することが重要です。
特に、コストやスピードといった表面的な利点だけでなく、企業経営に与える本質的な価値を把握しましょう。
代理店 vs 内製化:どちらが自社に最適か?
| 比較項目 | 代理店への委託 | 内製化 |
|---|---|---|
| コスト | 高(月額30万〜) | 低(人件費のみ) |
| スピード | 遅い(確認・修正に時間がかかる) | 速い(即時対応・修正が可能) |
| ブランド理解度 | 低い(業界知識・熱量が不足しがち) | 高い(自社の魅力を最も理解) |
| ノウハウ蓄積 | 不可(ブラックボックス化) | 可能(成功・失敗が全て資産に) |
| 顧客との関係 | 間接的 | 直接的(ファン化を促進) |
| 炎上リスク | 比較的低い(専門家が対応) | 比較的高い(ノウハウが必要) |
内製化がもたらす3つの経営的メリット
資産としてのノウハウ蓄積
運用を通じて得られたデータ、成功事例、失敗談のすべてが、会社の無形資産となります。
これにより、担当者が変わっても運用の質が落ちない「俗人化しない」体制を構築できます。
圧倒的なコスト削減と投資対効果
代理店に支払っていた月額費用を、広告出稿やインフルエンサー施策、または他のマーケティング活動に再投資できます。
顧客とのダイレクトな関係構築
ユーザーからのコメントやDMに自社の社員が直接、迅速に対応することで、顧客エンゲージメントは飛躍的に高まります。
これは、顧客を熱心な「ファン」へと育成する上で不可欠なプロセスです。
【5ステップ】SNS内製化を実現する完全ロードマップ
ステップ1:目的とKPIの明確化(1ヶ月目)
「何のためにSNSを運用するのか?」——この問いに対する答えが、すべての活動の羅針盤となります。
弊社の支援実績でも、目的が曖昧なままでは9割以上のケースで失敗に終わります。
・目的の例: 採用応募者の増加、ECサイトへの流入数増加、新商品の認知度向上、BtoB領域でのリード獲得
・KPIの例:
採用: エントリー数、会社説明会への申し込み数
EC: UU数、CVR、売上
認知度: フォロワー数、リーチ数、インプレッション数、エンゲージメント率
ステップ2:運用体制の構築と人材育成(1〜2ヶ月目)
「誰が」「何を」「どこまで」担当するのかを定義します。
・担当者の選定: 専任担当者を最低1名確保するのが理想です。適性(コミュニケーション能力、企画力、分析力)を見極め、本人のキャリアプランも考慮してアサインしましょう。
・チームの役割分担: プロジェクトマネージャー、コンテンツクリエイター、コミュニティマネージャーなど、役割を明確にします。
・研修の実施: 外部の専門家による研修を活用し、チーム全体のスキルを底上げします。株式会社but artのように、受講人数に関わらず同額で実践的な研修を提供している企業もあります。
ステップ3:運用マニュアルの作成(2〜3ヶ月目)
運用の品質を担保し、俗人化を防ぐための「ルールブック」を作成します。
これは、担当者が急に変わっても運用が止まらないための保険でもあります。
・必須項目: 投稿のトーン&マナー、禁止事項リスト、著作権・肖像権の確認フロー、炎上時のエスカレーションルートと対応手順、ハッシュタグの選定ルールなど。
株式会社but artでは、このマニュアル作成と提供を支援の核としており、持続可能な運用体制の構築をサポートしています。
ステップ4:段階的な内製化の開始(3〜6ヶ月目)
いきなり全てを自社運用に切り替えるのはリスクが伴います。
代理店と併走しながら、段階的に移行しましょう。
・フェーズ1: 投稿へのコメント返しや「いいね」周りなど、簡単な業務から内製化。
・フェーズ2: コンテンツの企画と制作を自社で行い、代理店には広告運用や高度な分析を依頼。
・フェーズ3: 全ての運用を自社で完結させ、代理店契約をコンサルティング契約に切り替えるか、終了する。
ステップ5:効果測定と改善(6ヶ月目〜)
インサイトデータを基に、PDCAサイクルを回し続けます。
・分析: 月次レポートを作成し、KPIの進捗、成功・失敗要因を分析します。
・改善: 分析結果に基づき、次月のコンテンツ企画や運用方針を改善します。
SNS内製化支援サービス3選
自社だけでの内製化に不安がある場合は、専門企業の支援を受けるのが成功への近道です。ここでは、実績豊富な3社を紹介します。
1. 株式会社but art
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 全媒体対応 | Instagram、TikTok、LINE、X、YouTubeなど、あらゆるSNSの内製化支援に対応可能。 |
| 圧倒的なコストパフォーマンス | 月額10万円からという低価格で、大手企業も利用する高品質な支援を提供。 |
| 俗人化しない仕組み | 運用マニュアルの提供と、人数無制限の研修により、担当者に依存しない持続可能な体制を構築。 |
| 豊富な実績 | 大手企業から中小企業まで、多様な業界での内製化支援実績。 |
2. 株式会社ホットリンク
- 特徴: SNSマーケティング業界の草分け的存在。特にX(旧Twitter)のデータ分析に強みを持ち、科学的なアプローチでコンサルティングを提供しています。
- URL:
https://www.hottolink.co.jp/
3. 株式会社コムニコ
- 特徴: 1,800アカウント以上の支援実績を持つ大手SNSマーケティング支援会社。SNS運用代行からコンサルティング、ツール開発まで幅広く手がけており、企業のフェーズに合わせた柔軟な支援が可能です。
- URL:
https://www.comnico.jp/
まとめ:内製化は未来への投資
SNS運用の内製化は、単なるコスト削減策ではありません。
顧客との関係を深め、自社にノウハウという名の資産を蓄積し、変化の速い市場に迅速に対応するための「未来への投資」です。
本記事で紹介したロードマップを参考に、ぜひ内製化への第一歩を踏み出してください。
執筆者プロフィール
株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。
大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。

