「求人サイトに広告を出しても、応募が集まらない」 「内定を出しても、辞退されてしまう」 「自社の魅力が、学生や求職者にうまく伝わっていない」
採用市場の競争が激化する中、従来の手法だけでは優秀な人材を獲得することが困難になっています。
特に、企業の「リアルな姿」を重視するZ世代に対して、旧来の美辞麗句を並べた採用サイトはもはや響きません。
この課題を解決する鍵が、SNSを活用した「採用広報」です。そして、その採用広報を成功に導くのが「SNS研修」なのです。
本記事では、人事担当者がSNS研修を受けることで、どのように採用活動をアップデートできるのか、具体的な活用法と成功のポイントを解説します。
目次
- なぜ採用活動にSNSが不可欠なのか?
- 採用広報にSNS研修がもたらす3つのメリット
- 採用広報向けSNS研修のカリキュラム例
- プラットフォーム別 採用広報活用術
- 採用広報を成功させる3つのポイント
- まとめ
1. なぜ採用活動にSNSが不可欠なのか?
現代の求職者、特にZ世代は、企業選びにおいてSNSを当たり前のように活用します。
企業の「リアル」を知るための情報源
彼らは、企業の公式ウェブサイトや求人広告に書かれた「建前」の情報だけを信じません。
SNSを通じて、社内の雰囲気、社員の人柄、働きがいといった「リアルな情報」を求めます。
双方向のコミュニケーション
求職者は、企業と直接コミュニケーションを取りたいと考えています。
SNSを通じて気軽に質問したり、社員と交流したりすることで、企業への理解を深め、志望度を高めます。
入社後のミスマッチ防止
SNSで日常的に企業のカルチャーに触れることで、求職者は「この会社は自分に合っているか」を判断しやすくなります。
これは、入社後の早期離職を防ぐ上でも非常に重要です。
2. 採用広報にSNS研修がもたらす3つのメリット
人事担当者がSNS研修を受けることで、採用広報は劇的に進化します。
メリット1: 「伝える」から「伝わる」コンテンツが作れるようになる
自己満足な情報発信から脱却し、求職者が本当に知りたい情報は何か、どうすれば魅力的に伝わるかを、データとノウハウに基づいて設計できるようになります。
ハッシュタグの活用法、エンゲージメントを高める投稿時間、魅力的な写真や動画の作り方などを学び、届けたい相手に的確に情報を届けます。
メリット2: 採用ブランディングが確立できる
「#〇〇な人と働きたい」といった独自のハッシュタグ戦略や、一貫したトーン&マナーでの情報発信を通じて、「〇〇といえば、あの会社」という採用市場での独自のブランドイメージを確立できます。
これにより、他社との差別化を図り、優秀な人材を引きつけます。
メリット3: 採用コストを削減できる
SNS採用が軌道に乗れば、高額な求人広告費や人材紹介手数料に依存する必要がなくなります。
自社のプラットフォームから直接応募が集まる「ダイレクトリクルーティング」が実現し、長期的に見て大幅なコスト削減に繋がります。
3. 採用広報向けSNS研修のカリキュラム例
採用広報に特化した研修では、以下のような内容を学びます。
・採用ペルソナの設計: どんな人材に来てほしいのか、具体的な人物像を明確にする。
・採用広報のコンセプト設計: 「働きがい」「成長環境」「社会貢献」など、自社の何を一番の魅力として伝えるかを決める。
・コンテンツ企画: 社員インタビュー、1日の仕事紹介(Vlog)、オフィスツアー、社内イベントの様子など、求職者が知りたいコンテンツを企画する。
・求職者とのコミュニケーション術: 質問への丁寧な回答、内定者との交流など、ファンを作るための対話方法。
・リファラル採用への繋げ方: 社員が自社のSNS投稿をシェアしたくなるような仕組み作り。
4. プラットフォーム別 採用広報活用術
| プラットフォーム | 特徴 | 活用例 |
|---|---|---|
| ビジュアル、世界観 | オフィスの写真、社員の働く様子、リールでの仕事紹介動画 | |
| X (Twitter) | リアルタイム性、拡散力 | 説明会やイベントの告知、社員の日常のつぶやき、業界ニュースへのコメント |
| YouTube | ストーリーテリング | 社員インタビュー動画、企業文化を紹介するドキュメンタリー、オンライン会社説明会 |
| note | 文章での深い情報発信 | 社員の入社エントリー、経営者の想い、福利厚生の詳細な解説 |
5. 採用広報を成功させる3つのポイント
1. 「良いこと」ばかり見せない
求職者は、企業の「ありのままの姿」を知りたいと思っています。
華やかな成功事例だけでなく、仕事の厳しさや、過去の失敗談なども正直に語ることで、逆に信頼性が増します。
2. 社員を巻き込む
人事担当者だけが発信するのではなく、様々な部署の社員に登場してもらいましょう。
多様な社員の声を通じて、企業の多面的な魅力が伝わります。社員が自発的に情報発信してくれるような文化を醸成することが理想です。
3. 継続することが最大の力
採用広報は、すぐに結果が出るものではありません。
数ヶ月から1年以上の時間をかけて、地道に情報発信を続けることで、徐々に企業のファンが増え、応募に繋がっていきます。
短期的な応募者数に一喜一憂せず、長期的な視点で取り組みましょう。
まとめ
SNS研修は、人事担当者にとって、採用活動を根本から変革するための強力な武器となります。
求職者の心に響く「リアル」な情報を届け、自社のファンを育てることで、採用は「集める」ものから「集まる」ものへと変わります。
ぜひSNS研修への投資を検討し、未来の仲間と出会うための新しい一歩を踏み出してください。
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執筆者プロフィール
株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。
大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。
