「Instagram運用がうまくいかない。だからプロのコンサルを雇おう」――そう短絡的に考えている担当者の方に、まず一つ、問いかけたいことがあります。
それは本当に、今のあなたの会社に必要な選択でしょうか?この記事は、単なるコンサル会社の紹介記事ではありません。
あなたのビジネスの成果に真に貢献するために、時には「コンサルは不要」とさえ言い切る、本音ベースの実践ガイドです。
そもそもインスタコンサルとは?何をどこまでやってくれるのか
インスタグラムコンサルティングとは、Instagram運用における戦略立案、現状分析、改善提案、そして担当者への教育・支援を行う専門サービスです。
多くの企業が混同しがちな「運用代行」とは異なり、コンサルは「投稿を代わりに行う」のではなく、「どう運用すべきかの羅針盤を提供する」ことが主な役割です。
費用相場は、提供されるサービスの範囲や専門性によって大きく異なります。
月額10万円程度の基本的な分析・レポート提供から、月額50万円以上の戦略立案から実行支援までを含む包括的なサービスまで、幅広い選択肢が存在します。
重要なのは、金額の高低ではなく、自社の課題とゴールに対して、そのサービスが本当に必要十分であるかを見極めることです。
要注意!契約してはいけない「悪質コンサル」3つの特徴
残念ながら、コンサル業界には、顧客の成果よりも自社の利益を優先する、悪質な業者も存在します。
以下の特徴に一つでも当てはまる場合は、契約を見送ることを強く推奨します。
・特徴1:「フォロワーを必ず増やします」と安易に断言する: Instagram運用の成果は、業界、商材、ターゲット、コンテンツの質など、無数の変数に左右されます。プロフェッショナルであればあるほど、安易な保証はせず、リスクも含めて誠実に説明するはずです。
・特徴2:実績が不明瞭、または成功事例が自社の業界と無関係: 「フォロワー10万人達成!」といった華々しい実績を謳っていても、それがあなたの会社と全く異なる業界や商材であれば、参考になりません。自社と類似した業界での、具体的な成果事例を持っているかを確認しましょう。
・特徴3:戦略の説明なく、すぐに「流行りの施策」を勧めてくる: 「今はリールが伸びるので、とにかくリールを投稿しましょう」といった、表面的で画一的な提案しかできないコンサルは、あなたの会社の本質的な課題を理解していません。
失敗しないインスタコンサル選び、5つの必須チェックポイント
優れたコンサルを見極めるためには、以下の5つの視点から、冷静に評価することが重要です。
Point 1: KGI(最終ゴール)から逆算した戦略を提示してくれるか?
フォロワー数やエンゲージメント率といった中間指標ではなく、「売上」「問い合わせ数」「ブランド認知度」といった、あなたの会社のビジネスゴールから逆算して、Instagram運用の戦略を設計してくれるかを確認します。
Point 2: 担当者の実績と、自社との相性は良いか?
会社の実績だけでなく、実際にあなたの会社を担当する「個人」の実績と、その人との相性(コミュニケーションの取りやすさ、価値観の共有)も、成功を左右する重要な要素です。
Point 3: レポートは分かりやすく、次のアクションに繋がるか?
専門用語だらけの難解なレポートではなく、経営層や他部署のメンバーにも理解でき、かつ「次に何をすべきか」が明確になるレポートを提供してくれるかを確認します。
Point 4: 契約形態と期間、費用は明確で、柔軟性があるか?
長期契約を強要されたり、不明瞭な追加費用が発生したりするリスクがないか、契約内容を細部まで確認します。
Point 5: 最終的に「自社で運用できる」状態を目指してくれるか?
優れたコンサルは、クライアントを永遠に依存させるのではなく、いつか「自走」できる状態へと導くことを目指します。
ノウハウの移転や、社内人材の育成に積極的かを確認しましょう。
【あえて言います】インスタコンサルが「不要」な企業とは?
すべての企業にコンサルが必要なわけではありません。
以下のケースに該当する場合は、コンサルを雇う前に、まず社内の体制や目的を整理することが先決です。
・ケース1:SNS運用の目的が明確になっていない: 「とりあえず流行っているから」という理由でInstagramを始めた場合、コンサルを雇っても成果は出ません。まずは「何のために」運用するのかを明確にしましょう。
・ケース2:社内に実行リソースが全くない: コンサルは「戦略を考える」のが仕事であり、「実行する」のは基本的にクライアント側の役割です。投稿を作成する時間も人手もない場合は、コンサルではなく「運用代行」が適切です。
・ケース3:担当者が主体的に動く気がない: コンサルの提案を受け身で聞くだけで、自ら考え、行動する意欲がない場合、どれだけ優れたコンサルを雇っても、成果は期待できません。
契約前に必ず確認すべき質問リスト
コンサルとの初回面談では、以下の質問を投げかけ、その回答の質と誠実さを見極めましょう。
・質問1:「弊社のビジネスゴール達成のために、どのようなKPIを設定しますか?」
・質問2:「過去に弊社の業界で、どのような成果を出しましたか?具体的な事例を教えてください」
・質問3:「レポートのサンプルを見せていただくことは可能ですか?」
・質問4:「もし期待した成果が出なかった場合、どのような対策を講じますか?」
「コンサルに丸投げ」から「ノウハウを社内に貯める」という新発想
従来のコンサルティングモデルの最大の弱点は、コンサルとの契約が終了すると、せっかく得たノウハウが社内に残らず、元の状態に戻ってしまうことです。
株式会社but artが提唱する「伴走型・内製化支援」モデルは、この課題を根本から解決します。
私たちは、単に戦略を提案するだけでなく、人数無制限の研修プログラムと、実践的なマニュアルの提供を通じて、貴社の担当者が自らの力でInstagram運用を継続できる状態を目指します。
これは、一時的な成果ではなく、貴社の長期的な資産となる投資なのです。
まとめ:最高のコンサルとは、いつか「不要」になるパートナーである
真に優れたコンサルタントとは、クライアントを永遠に依存させる存在ではなく、いつか「もう私たちは必要ありません」と言える日を目指して、全力で伴走してくれるパートナーです。
コンサル選びの本質は、単なる費用対効果の計算ではなく、あなたの会社の未来にとって、最良の「共犯者」を見つけることに他なりません。
執筆者プロフィール
株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。
大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。
