「とりあえず30個、人気のハッシュタグをつけておこう」。もしあなたが、そんな感覚でハッシュタグを選んでいるなら、その努力は報われないかもしれません。
多くの運用者が、ハッシュタグは「ユーザーに見つけてもらうため」のものだと信じています。
しかし、その常識は、もはや過去のものとなりつつあります。
本記事でお伝えする衝撃の事実。それは、ハッシュタグの本当の相手は「ユーザー」ではなく、「InstagramのAI」であるということです。
この事実を知らないままでは、いくらハッシュタグを工夫しても、リーチが伸び悩むのは当然です。
この記事では、あなたのハッシュタグ戦略に関する固定観念を覆し、AIを味方につけて、本当に届けたい相手に投稿を届けるための、本質的な思考法と実践的なテクニックを解説します。
衝撃の事実:ハッシュタグは「AIに投稿内容を教える」ためにある
データによれば、今や多くのユーザーは、ハッシュタグを辿って情報を探すよりも、キーワード検索や発見タブから新しいコンテンツに出会っています。
では、ハッシュタグはもはや不要なのでしょうか?答えは「No」です。
ハッシュタグの真の役割は、あなたの投稿が「どのようなジャンルで、どのような内容なのか」をInstagramのAIに正確に伝えるための「タグ付け」にあります。
AIは、あなたがつけたハッシュタグを手がかりに投稿を分析・分類し、その投稿に興味を持つ可能性が高いユーザーの「発見タブ」に表示させます。
つまり、AIに投稿の文脈(コンテキスト)を正しく伝えることこそが、リーチを最大化する鍵なのです。
運用の羅針盤となる「ハッシュタグピラミッド」を構築しよう
では、どのようにハッシュタグを選べば、AIと効果的に「対話」できるのでしょうか。
その答えが、投稿ボリュームに応じてハッシュタグを分類し、戦略的に組み合わせる「ハッシュタグピラミッド」という考え方です。
| キーワード規模 | 投稿件数 | 役割 | 個数の目安 |
|---|---|---|---|
| ビッグ | 10万件以上 | あなたの投稿が属する広大な「ジャンル」をAIに定義させる。(例:#インテリア, #ファッション) | 3-5個 |
| ミドル | 1万〜10万件 | ジャンルの中で、より具体的な「カテゴリ」を特定し、AIの理解を深める。(例:#一人暮らしインテリア, #きれいめカジュアル) | 10-15個 |
| スモール | 〜1万件 | ターゲットが明確な「ニッチ」な需要に応え、熱量の高いユーザーに発見される。(例:#6畳インテリア, #低身長コーデ) | 5-10個 |
このピラミッドを意識し、各階層からバランス良くハッシュタグを選定することで、AIはあなたの投稿を正確に理解し、最適なユーザーへと届けてくれるのです。
アカウントの成長段階別、ハッシュタグ戦略の最適解
このハッシュタグピラミッドの活用法は、アカウントの成長段階によって異なります。
・初期(〜1,000フォロワー): まずはスモール・ミドルキーワードを中心に構成し、競合の少ない土俵で確実に投稿を見つけてもらい、エンゲージメントを高めることに集中しましょう。
・中期(〜1万人フォロワー): ミドルキーワードを主軸に据えつつ、ビッグキーワードでの「人気投稿」への掲載を狙い始め、アカウントの認知度を拡大していきます。
・後期(1万人〜): ビッグキーワードでジャンルの代表格としての地位を確立し、独自の「ブランドハッシュタグ」(例:#ユニクロコーデ)を育て、コミュニティ形成を促進します。
これだけはやるな!アルゴリズムに嫌われるハッシュタグ5つのNG例
良かれと思ってやっているその行動が、AIからの評価を下げているかもしれません。
1.投稿内容と無関係な人気ハッシュタグ: リーチ欲しさに「#instagood」などをつけても、AIを混乱させ、エンゲージメントの低いユーザーに届くだけです。
2.毎回全く同じハッシュタグの使い回し: スパム行為とみなされ、リーチが制限される可能性があります。
3.禁止されているハッシュタグの使用: Instagramによって使用が禁止されているタグを使うと、投稿が表示されなくなります。
4.「#〇〇な人と繋がりたい」への過度な依存: 同じ目的のユーザーしか集まらず、本質的なファン獲得には繋がりません。
5.コメント欄へのハッシュタグ記載: 効果はキャプションと同じですが、ユーザーからは「隠している」という印象を与えかねません。
ハッシュタグ選定は「作業」ではない。「戦略」である。
闇雲に30個のハッシュタグを並べる時代は終わりました。
一つひとつのハッシュタグに「なぜこれを選ぶのか」という明確な意図を持つこと。
それこそが、現代のInstagram運用における「戦略」です。
株式会社but artは、ハッシュタグを単なるリーチ獲得の飛び道具とは考えません。
それは、あなたのアカウントと、未来のファンとの出会いの精度を高めるための「チューニング」であり、アカウント全体の戦略という「線」の中で最適化されて初めて、真価を発揮するものだと考えています。
まとめ:ハッシュタグを制する者は、発見タブを制する
ハッシュタグの相手は、ユーザーではなくAI。
この新しい常識を、ぜひ覚えておいてください。
AIとの対話を意識し、戦略的にハッシュタグを選定すること。
それができれば、アルゴリズムはあなたの最強の味方となり、「発見タブ」への扉を開いてくれるはずです。
今日から、あなたのハッシュタグ戦略を見直してみませんか。
執筆者プロフィール
株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。
大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。
