「リールはバズるものだ」。そんな期待を胸に、トレンドの音源を使い、ダンスを真似てみたものの、再生数は一向に伸びない。
たまに再生数が跳ねても、フォロワーは増えず、売上にも繋がらない。多くの運用担当者が、そんな「リール疲れ」に陥っています。
その原因は、リールの本質的な役割を誤解し、再生数という表面的な指標に囚われていることにあります。
この記事は、「バズ」という一発逆転の幻想からあなたを解放するためのものです。
リールを、単なる流行りの飛び道具ではなく、「未来のファンとの最初の出会いの場」であり、「あなたの専門性を証明するためのプレゼンテーション」として捉え直す。
その視点こそが、持続的なアカウント成長の礎を築くのです。
リールの本質は「新規フォロワーとの出会い」と「専門性の証明」
リールの最大の強みは、発見タブやリール専用タブを通じて、あなたのことをまだ知らない膨大な数の潜在顧客にリーチできる点にあります。
しかし、そこで重要なのは、単に面白おかしい動画で注目を集めることではありません。
短い動画の中で、あなたが「その道のプロ」であることを示し、視聴者に「このアカウントは、自分の悩みを解決してくれるかもしれない」という期待を抱かせることが、真の目的なのです。
バズはあくまでその「結果」であり、目的ではありません。
再生数より重要!アカウントを成長させる「3つの最重要指標」
再生数という指標は、あくまで「どれだけ多くの人の画面に表示されたか」を示すに過ぎません。
アカウントの成長に本当に繋がるのは、視聴者があなたのコンテンツにどれだけ深く関与したかを示す、以下の3つの指標です。
・視聴完了率: 最後まで視聴されたということは、あなたのコンテンツが視聴者の時間を投資する価値のあるものだった証拠です。
・保存数: 「後でもう一度見返したい」という意思の表れであり、コンテンツの有益性が極めて高いことを示します。
・プロフィール遷移率: 「この人は何者だろう?」と強い興味を抱き、あなた自身についてもっと知りたいと思った視聴者の割合です。
これらの指標が高いリールこそが、未来のファンを連れてきてくれる、本当に「価値のある」リールなのです。
バズに頼らない、良質な企画を生み出す「SAVE」の法則
では、どうすればこれらの重要指標を高めることができるのでしょうか。
その答えは、企画段階にあります。トレンドを追う前に、あなたのリールが以下の4つの要素を満たしているかを確認してください。
私たちはこれを「SAVEの法則」と呼んでいます。
| 法則 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|
| S (Solution) | 課題解決 | 〇〇に悩む人必見!たった1分でわかる△△解決法 |
| A (Actionable) | 行動喚起 | この投稿を保存して、次の週末に試してみて! |
| V (Value) | 価値提供 | ほとんどの人が知らない、〇〇の裏技を特別に公開します |
| E (Expertise) | 専門性 | 元〇〇のプロだけが知っている、失敗しない△△の選び方 |
トレンドを追う「フロー型」と、資産になる「ストック型」を使い分けよ
リール戦略は、短期的な視点と長期的な視点の両方が必要です。
・フロー型リール(全体の2割): トレンドの音源やエフェクトを活用し、短期的なアルゴリズムの波に乗って、新規リーチを最大化します。これは、いわば「お祭り」への参加です。
・ストック型リール(全体の8割): 普遍的なノウハウや、時間が経っても価値が色褪せないお役立ち情報を提供します。これらのリールは、Instagram内の検索や発見タブを通じて、長期的にあなたのアカウントへ新規フォロワーを運び続ける「資産」となります。
制作プロセス完全ガイド:企画から分析まで
1.企画: 「SAVEの法則」に基づき、「誰の」「どんな課題」を解決するリールなのかを明確にします。
2.構成: 最初の1秒で視聴者の心を掴み、結論を先に示す「PREP法(Point, Reason, Example, Point)」を意識して、飽きさせないストーリーラインを設計します。
3.撮影・編集: テンポの良いカット割り、重要なポイントを強調するテロップなど、視覚的な工夫を凝らします。
4.投稿: ハッシュタグでAIに投稿内容を正確に伝え、アカウントの世界観に合ったカバー画像(サムネイル)を設定します。
5.分析: 投稿後は必ずインサイトを確認し、「3つの最重要指標」を分析。何が良くて、何が悪かったのかを言語化し、次の企画に活かします。
リールは、あなたというブランドの「予告編」である
リールは、それ単体で完結するものではありません。それは、あなたのアカウント、ひいてはあなたのビジネスという壮大な物語の「予告編」です。
リールをきっかけに興味を持ってくれた視聴者を、プロフィールへ、そしてフィード投稿やストーリーズ、さらにはウェブサイトへと導き、徐々に深い関係を築いていく。
株式会社but artでは、このリールを起点とした顧客育成の全体像を描くことを最も重要視しています。
まとめ:再生数の呪縛から解放され、本質的な価値提供を始めよう
再生数という麻薬のような指標の呪縛から、今こそ解放される時です。
「バズ」という幻影を追いかけるのをやめ、あなたの目の前にいる、たった一人の悩みを解決することに集中する。
その誠実な姿勢こそが、結果的に多くの人々の共感を呼び、持続的なアカウントの成長に繋がるのです。
本質的な価値提供を、今日から始めてみませんか。
執筆者プロフィール
株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。
大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。

