【2025年版】Instagramで炎上しないためのリスクマネジメント|「他人事」では済まされない、企業のSNS防衛術

「バズりたい」という一心で投稿した内容が、意図せず誰かを傷つけ、批判の渦に巻き込まれる。

たった一つの不適切な投稿が、長年かけて築き上げてきたブランドの信頼を、一瞬にして灰燼に帰す――。

そんな悪夢のような事態が、もはやテレビの中の出来事ではなく、すべての企業にとって「他人事」ではない現実となっています。

この記事は、SNSの炎上を単なる「評判の問題」として軽視するのではなく、「事業継続そのものを脅かす経営リスク」として捉え直し、その火種を「予防」し、万が一の際に「被害を最小限に食い止める」ための、実践的な防衛術を提供します。

炎上はなぜ起きるのか?あなたの会社に潜む「炎上リスク火種マップ」

炎上は、決して偶然に起きるものではありません。必ずどこかに、見過ごされた「火種」が潜んでいます。

以下の3つの視点から、自社のアカウントに潜むリスクを総点検し、潜在的な危険性を可視化してください。

リスク領域具体的なチェック項目
①投稿内容・特定の属性(性別、国籍、宗教、性的指向など)を揶揄したり、ステレオタイプを助長したりする表現はないか?
・事実確認が不十分な情報や、科学的根拠のない断定的な表現はないか?
・第三者の著作権(画像、音楽)や肖像権を侵害していないか?
・PR表記を忘れるなど、ステルスマーケティングを疑われる要素はないか?
②運用体制・投稿の承認フローは明確に定められているか?(担当者一人の判断で投稿できる状態は極めて危険です)
・SNS担当者に対するリテラシー教育は十分に行われているか?
・過去の炎上事例を学び、自社の教訓とする仕組みは存在するか?
・個人的なアカウントと企業アカウントを誤って投稿するような、初歩的なミスを防ぐ対策はできているか?
③社会情勢・社会的にデリケートな話題や、政治・宗教など賛否が大きく分かれるニュースに、企業の公式アカウントとして軽率に言及していないか?
・大規模な災害や痛ましい事件の際に、配慮に欠ける、あるいは不謹慎と受け取られる可能性のある投稿をしていないか?

【予防編】炎上を未然に防ぐ「防衛システム」の作り方

炎上は、起きてから対処するのでは手遅れです。最も重要なのは、炎上を未然に防ぐための、堅牢な「防衛システム」を社内に構築することです。

・ステップ1:SNS運用ガイドラインの策定: 「何をすべきか」だけでなく、「何をすべきでないか」を具体的に、かつ明確に言語化します。特に、人権や多様性に関する配慮は、最重要項目として盛り込むべきです。
・ステップ2:複数人によるチェック体制の構築: 「担当者→上長」という単純なダブルチェックだけでは不十分です。年齢、性別、役職の異なる複数の視点を取り入れることで、一方向からでは気づけないリスクを発見できます。
・ステップ3:担当者への継続的なリテラシー教育: 最新の炎上事例を定期的に共有し、「なぜこれが問題になったのか」「自社に置き換えるとどんなリスクがあるか」を議論する場を設けることが、担当者のリスク感度を養います。

【対応編】万が一、炎上してしまったら?運命を分ける「最初の72時間」

どれだけ万全の対策を講じても、炎上のリスクをゼロにすることはできません。

万が一、火の手が上がってしまった際に、パニックに陥らず、冷静かつ迅速に行動するための手順を、あらかじめ定めておきましょう。

1.【0-1h】事実確認と状況把握: 何が起きているのか、憶測ではなく事実を正確に把握します。誰が、何に対して、なぜ怒っているのか。批判の論点を冷静に分析します。
2.【1-3h】関係各所への報告と、対応方針の決定: 担当者レベルで問題を隠蔽することは、事態をさらに悪化させます。速やかに上長や経営層に報告し、対応の責任者と対外的な窓口を一本化します。
3.【3-24h】初期対応(謝罪と説明): 問題となった投稿をただ削除するだけでは、証拠隠滅と捉えられかねません。可能であれば投稿は残したまま、問題点を認め、真摯に謝罪し、なぜそのような投稿に至ったのかを誠実に説明します。この段階での「沈黙」と「言い訳」は、火に油を注ぐ最悪の選択です。
4.【24-72h】原因究明と再発防止策の策定: なぜこの事態が起きたのか、投稿内容だけでなく、承認フローや企業文化といった根本的な原因を究明し、具体的な再発防止策を検討します。
5.【72h-】再発防止策の公表と、継続的なコミュニケーション: 策定した再発防止策を具体的に公表し、その実行を社会に約束します。失った信頼を取り戻すための、長く険しい道のりは、ここから始まります。

まとめ:「炎上しない」は、ゴールではない。信頼されるための「対話」を

炎上を恐れるあまり、当たり障りのない、誰の心にも響かない無難な投稿ばかりになっては、SNSを運用する意味がありません。

真のリスクマネジメントとは、炎上しないこと自体を目的とする「守りの姿勢」ではなく、社会的な良識と高い倫理観を羅針盤としながら、生活者との真摯な「対話」を通じて、ファンとの間に揺るぎない信頼関係を築いていく「攻めの姿勢」に他なりません。

株式会社but artは、そのための攻守に優れたコミュニケーション戦略をデザインし、貴社が社会から愛され、応援されるブランドへと成長するための一助となることをお約束します。

執筆者プロフィール

株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。

大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。