「Instagramを採用活動に活かしたいけれど、何から手をつければいいかわからない」——そんな悩みを抱える採用担当者様へ。
本記事は、Instagram採用の第一歩である「アカウント作成」を、誰でも迷わず、かつ効果的に進めるための完全ガイドです。
この記事を読めば、単なるアカウント開設の手順だけでなく、採用成果につながる戦略的な準備、ビジネスアカウントへの切り替え、求職者の心をつかむプロフィール設定のコツ、そしてアカウント作成後の初期運用まで、すべてを網羅的に理解できます。
初心者の方でも失敗しないよう、よくある設定ミスや注意点も詳しく解説。さあ、未来の仲間と出会うための第一歩を、ここから踏み出しましょう。
Instagram採用アカウントとは?基本を理解する
まず、採用活動で利用するInstagramアカウントの基本的な役割と、企業公式アカウントとの違いを明確にしておきましょう。
Instagram採用アカウントの定義と役割
Instagram採用アカウントとは、その名の通り「採用活動」を主目的として運用される専門のアカウントです。
その役割は、求人情報サイトだけでは伝えきれない、企業のリアルな魅力——働く人々の姿、オフィスの雰囲気、独自の企業文化——を発信し、潜在的な候補者との間に共感や信頼関係を築くことにあります。
企業公式アカウントとの違い
企業公式アカウントが主に顧客向けの製品情報やブランドイメージ向上を目的とするのに対し、採用アカウントは「求職者」をメインターゲットとします。
発信する情報も、求職者が知りたい「働く場所としての魅力」に特化する必要があります。
| 項目 | 企業公式アカウント | 採用アカウント |
|---|---|---|
| ターゲット | 顧客、ファン | 求職者(新卒・中途) |
| 目的 | ブランディング、販促 | 母集団形成、採用ブランディング |
| 発信内容 | 製品・サービス情報、キャンペーン | 社風、社員紹介、働きがい |
アカウント作成で得られる3つのメリット
1.潜在層へのアプローチ: まだ転職を具体的に考えていない層にも、企業の魅力を届け、未来の候補者として関係を築けます。
2.企業文化の可視化: 文章だけでは伝わりにくい社風や雰囲気を、写真や動画で直感的に伝えられます。
3.採用ミスマッチの防止: リアルな情報を発信することで、入社後のイメージギャップを減らし、定着率向上に貢献します。
アカウント作成前の準備(戦略設計)
効果的なアカウント運用は、作成前の戦略設計で9割決まります。
以下の4つのステップで、運用の軸を固めましょう。
採用目的とKPIの設定
何のためにInstagramを運用するのかを明確にします。
「認知度向上」「母集団形成」「内定承諾率アップ」など、具体的な目的を立て、それを測るためのKPI(重要業績評価指標)を設定します(例: フォロワー数、プロフィールアクセス数、採用サイトへの流入数など)。
ターゲット人材のペルソナ設定
どんな人に情報を届けたいのか、具体的な人物像(ペルソナ)を設定します。
年齢、専攻、価値観、情報収集の方法などを詳細に描くことで、発信するコンテンツの精度が高まります。
競合アカウントのベンチマーク分析
同業他社や、ターゲット層が似ている企業の採用アカウントを分析します。
どんな投稿が人気か、どんなハッシュタグを使っているかなどを参考に、自社アカウントの方向性を考えます。
コンテンツ方針の決定
ペルソナと競合分析に基づき、「何を、どのように伝えるか」というコンテンツの方針を決定します。
「社員の成長ストーリーを軸にする」「ユーモアを交えて親しみやすさを演出する」など、アカウントの個性を決めましょう。
【4ステップ】Instagramアカウント開設の完全手順
ここからは、実際の画面に沿って具体的な開設手順を解説します。
STEP1: アプリダウンロードと新規登録
1.App StoreまたはGoogle Playで「Instagram」アプリをダウンロードします。
2.アプリを開き、「新しいアカウントを作成」を選択します。
3.電話番号またはメールアドレスを登録し、認証コードを入力します。
STEP2: ユーザーネームとアカウント名の設定
・アカウント名: 誰が見てもわかるように「株式会社〇〇【公式】採用」のように、企業名と採用アカウントであることがわかる名称にします。
・ユーザーネーム: ログインやタグ付けに使われるIDです。company_saiyoのように、シンプルで覚えやすいものにしましょう。
STEP3: ビジネスアカウントへの切り替え
採用活動で必須の分析機能などを使うため、必ずビジネスアカウントに切り替えます。
1.プロフィール画面右上のメニューから「設定」→「アカウント」を選択。
2.一番下の「プロアカウントに切り替える」をタップ。
3.カテゴリを選択し、「ビジネス」を選びます。
STEP4: カテゴリとビジネス情報の入力
自社の事業に最も近いカテゴリ(例: 人材サービス、ソフトウェア会社など)を選択します。
連絡先情報(メールアドレス、電話番号)を公開設定にすると、プロフィールに問い合わせボタンを設置できます。
ビジネスアカウントで使える採用向け機能
ビジネスアカウントにすることで、以下の強力な機能が使えるようになります。
・インサイト機能: 投稿のリーチ数やエンゲージメント率、フォロワーの属性(年齢、性別、地域)などを分析できます。
・問い合わせボタンの設置: プロフィールに「メール」「電話」などのボタンを設置し、求職者からの直接のコンタクトを促せます。
・Instagram広告の出稿: ターゲットを絞って投稿を広告として配信し、より多くの潜在候補者にアプローチできます。
求職者の心をつかむ!プロフィール設定の完全ガイド
プロフィールはアカウントの「顔」です。
訪問したユーザーが瞬時に「フォローしたい」と思うような魅力的なプロフィールを作り込みましょう。
プロフィール画像の選び方(4パターン比較)
| パターン | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 企業ロゴ | 認知度が高い場合に有効 | 堅い印象を与えがち |
| 社員の集合写真 | 楽しそうな雰囲気が伝わる | 人数が多すぎると顔が見えない |
| 人事担当者の顔写真 | 親近感が湧き、相談しやすい | 担当者変更のリスクがある |
| オフィスの写真 | おしゃれなオフィスをアピールできる | 他社との差別化が難しい |
プロフィール文の書き方(テンプレート付き)
160文字の制限の中で、自社の魅力を凝縮します。
以下のテンプレートを参考に、自社に合わせてカスタマイズしてみてください。
株式会社〇〇|ITで未来を創る【公式採用】
ミッション:「〇〇で、社会課題を解決する」
▶︎〇〇業界No.1のサービス「サービス名」
▶︎若手が活躍できる環境|平均年齢28歳
▶︎フルリモート/フレックスタイム制
社員のリアルな日常を発信中!
説明会情報はハイライトをチェック👇
[採用サイトへのリンク]
リンク設定とLinktreeの活用
プロフィールに設定できるリンクは一つだけですが、「Linktree」などの無料ツールを使えば、複数のリンク(採用サイト、募集要項、社員インタビュー記事など)をまとめたページを作成できます。
ストーリーズハイライトの初期設定
過去のストーリーズをプロフィール上に常時表示できる機能です。
「会社概要」「社員紹介」「福利厚生」「Q&A」など、求職者が知りたい情報をカテゴリ別にまとめておきましょう。
よくある設定ミスと対策
・個人アカウントのままにしてしまう: インサイト機能が使えず、効果測定ができません。必ずビジネスアカウントに切り替えましょう。
・ユーザーネームに記号を使いすぎる: 覚えにくく、検索の妨げになります。記号はアンダーバー _ 程度に留めましょう。
・プロフィールリンクを設定し忘れる: 採用サイトへの重要な導線です。必ず設定しましょう。
アカウント作成後の初期運用ステップ
アカウントを作って満足してはいけません。
最初の1週間で以下の5つのアクションを実行し、運用の軌道に乗せましょう。
- プロフィールを完成させる
- 最初の投稿を3〜5件行う
- ストーリーズで自己紹介を行う
- 社員にアカウントを周知し、フォローしてもらう
- 競合やターゲットがフォローしそうなアカウントをフォローする
複数アカウント運用の場合の注意点
新卒用と中途用など、複数の採用アカウントを運用する場合は、ターゲットや発信内容を明確に分け、それぞれに専任の担当者を置くことが望ましいです。
運用リソースが分散し、どのアカウントも中途半端にならないよう注意が必要です。
まとめ
本記事では、Instagram採用アカウントの作成方法を、戦略設計から具体的な手順、そして初期運用まで詳しく解説しました。
重要なのは、ただ作るだけでなく、誰に・何を・どのように伝えたいのかという戦略を明確に持つことです。
この記事をガイドに、ぜひ自社の魅力が詰まった採用アカウントを作成し、未来の仲間との素敵な出会いへと繋げてください。
執筆者プロフィール
株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。
大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。
