SNS内製化に必要なツール10選|無料・有料ツールを徹底比較

はじめに

「SNS運用を内製化したはいいものの、日々の作業に追われて時間が足りない…」 「もっと効率的に、クオリティの高い投稿を作る方法はないだろうか?」 「無料・有料、たくさんのツールがあるけど、結局どれを選べばいいの?」

SNS運用の内製化を成功させる鍵は、いかに作業を効率化し、戦略立案や分析といった「頭を使う時間」を確保できるかにかかっています。

そして、その強力な味方となるのが、様々な「SNS運用ツール」です。

しかし、一言でツールと言っても、投稿作成、スケジュール管理、分析、画像編集など、その種類は多岐にわたり、価格も無料のものから高価なものまで様々です。

選択肢が多すぎるゆえに、自社に最適なツールを選びきれずにいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、実際に現場で活用し、本当に「使える」と判断したSNS内製化に必須のツール10選を、カテゴリー別に厳選してご紹介します。

無料ツールと有料ツールの違いや、選ぶ際のポイントも詳しく解説するので、この記事を読めば、もうツール選びで迷うことはありません。


目次

  1. SNS運用ツールを導入する3つのメリット
  2. 【総合管理ツール】おすすめ3選
  3. 【デザイン・画像編集ツール】おすすめ3選
  4. 【分析特化ツール】おすすめ2選
  5. 【業務効率化ツール】おすすめ2選
  6. 自社に合ったツールの選び方
  7. まとめ

1. SNS運用ツールを導入する3つのメリット

ツール導入は、単なる「時短」以上の価値をもたらします。

  1. 作業時間の大幅な短縮: 予約投稿やテンプレート活用により、日々の投稿作業にかかる時間を劇的に削減できます。
  2. 投稿クオリティの向上: デザインツールを使えば、専門知識がなくてもプロ並みのクリエイティブを簡単に作成できます。
  3. データに基づいた戦略的な運用: 分析ツールを活用することで、勘や経験に頼るのではなく、データに基づいた客観的な意思決定が可能になります。

2. 【総合管理ツール】おすすめ3選

複数のSNSアカウントの投稿管理、予約、分析などを一元管理できるツールです。内製化の際には、まず導入を検討したいカテゴリーです。

① Meta Business Suite(メタビジネススイート)

  • 料金: 無料
  • 対応SNS: Instagram, Facebook
  • 特徴: Meta社(旧Facebook社)が提供する公式ツール
  • InstagramとFacebookのフィード投稿、ストーリーズ、リールの予約投稿が無料でできるのが最大の魅力。
  • 簡易的なインサイト分析機能も備わっており、初心者やコストをかけたくない企業は、まずこのツールから始めるのがおすすめです。

こんな企業におすすめ:

InstagramとFacebookのみを運用しており、コストをかけずに予約投稿を始めたい企業。

② Buffer(バッファー)

  • 料金: 無料プランあり / 有料プランは月額$6〜
  • 対応SNS: Instagram, Facebook, X, LinkedIn, TikTok, Pinterestなど
  • 特徴: シンプルで直感的な操作画面が人気のツール。多くのSNSに対応しており、カレンダー形式で投稿スケジュールを視覚的に管理できます。AIアシスタント機能を使えば、投稿文のアイデア出しやリライトも可能です。

こんな企業におすすめ:

複数のSNSを運用しており、シンプルで使いやすいツールを求めている企業。

③ Hootsuite(フートスイート)

  • 料金: 月額$99〜(30日間の無料トライアルあり)
  • 対応SNS: Instagram, Facebook, X, LinkedIn, YouTube, TikTok, Pinterestなど
  • 特徴: 世界中で利用されている高機能な総合管理ツール。投稿管理や分析はもちろん、特定のキーワードを含む投稿を監視する「ソーシャルリスニング機能」や、チームでの承認フロー機能など、企業向けの機能が充実しています。料金は高めですが、本格的な運用を目指す企業にとっては強力な武器となります。

こんな企業におすすめ:

複数人チームでSNSを運用しており、承認フローや高度な分析機能を必要とする企業。


3. 【デザイン・画像編集ツール】おすすめ3選

SNSのエンゲージメントは、クリエイティブの質に大きく左右されます。デザイン経験がない担当者でも、プロ品質の画像や動画を作成できるツールをご紹介します。

① Canva(キャンバ)

  • 料金: 無料プランあり / 有料プラン(Canva Pro)は月額1,500円〜
  • 特徴: SNS担当者の必須ツールと言っても過言ではない、最強のデザインツール。豊富なテンプレート(Instagram投稿用、ストーリーズ用など)が用意されており、テキストや写真を差し替えるだけで、簡単におしゃれなデザインが完成します。無料プランでも十分に高機能ですが、有料のProプランにすると、背景透過やAIによる画像生成・編集機能などが使え、さらに表現の幅が広がります。

こんな企業におすすめ:

すべての企業。特に、デザインの専門知識がない担当者。

② Adobe Express(アドビエクスプレス)

  • 料金: 無料プランあり / 有料プランは月額1,078円〜
  • 対応SNS: PhotoshopやIllustratorで有名なAdobe社が提供する、Canva対抗のデザインツール。Adobe Stockの豊富な写真素材や、高品質なフォントを利用できるのが強み。生成AI「Adobe Firefly」も搭載されており、テキストから画像を生成することも可能です。

こんな企業におすすめ:

Adobeの他のソフト(Photoshopなど)を既に利用している企業。高品質な写真素材を使いたい企業。

③ CapCut(キャップカット)

  • 料金: 無料
  • 特徴: TikTokを運営するByteDance社が提供する動画編集アプリ。スマホで撮影した動画を、直感的な操作で簡単に編集できます。豊富なテンプレートやBGM、エフェクトが用意されており、トレンドのリール動画なども手軽に作成可能です。PC版もあり、より本格的な編集も行えます。

こんな企業におすすめ:

リール動画やTikTokに力を入れたい企業。


4. 【分析特化ツール】おすすめ2選

SNSの公式インサイト機能よりも、さらに詳細な分析をしたい場合に役立つツールです。

① Social Insight(ソーシャルインサイト)

  • 料金: 要問い合わせ(月額5万円〜が目安)
  • 特徴: 国産のSNS分析・管理ツール。自社アカウントの分析はもちろん、競合他社のアカウントのフォロワー推移やエンゲージメント率などを詳細に分析できるのが大きな強みです。また、指定したキーワードやハッシュタグを含む投稿を収集・分析する機能もあり、キャンペーンの効果測定や口コミ分析に非常に役立ちます。

こんな企業におすすめ:

競合調査や口コミ分析に力を入れたい企業。データに基づいた詳細な戦略を立てたい企業。

② Iconosquare(アイコノスクエア)

  • 料金: 月額$29〜(14日間の無料トライアルあり)
  • 特徴: InstagramとFacebookの分析に特化した海外製ツール。公式インサイトでは見られない「フォロワーのオンライン時間」や「最適な投稿時間」などを分析してくれます。レポートのUIが美しく、視覚的に分かりやすいのも特徴です。

こんな企業におすすめ:

Instagram運用をさらに最適化したい企業。美しいレポートを経営層に提出したい担当者。


5. 【業務効率化ツール】おすすめ2選

直接的なSNS運用ツールではありませんが、組み合わせることで業務効率を飛躍的に向上させるツールです。

① ChatGPT(チャットジーピーティー)

  • 料金: 無料プランあり / 有料プラン(GPT-4)は月額$20
  • 特徴: 説明不要の生成AI。SNS運用における様々な「考える作業」をサポートしてくれます。
    • 投稿のアイデア出し(「#SNS運用 のテーマで投稿案を10個出して」)
    • キャプション(投稿文)の作成・リライト
    • ハッシュタグの提案
    • コメントへの返信文の作成

こんな企業におすすめ:

すべての企業。投稿のアイデア出しや文章作成に時間がかかっている担当者。

② Notion(ノーション)

  • 料金: 無料プランあり / 有料プランは月額$8〜
  • 特徴: 「オールインワンワークスペース」と呼ばれる多機能な情報管理ツール。SNS運用では、以下のような活用が可能です。
    • コンテンツカレンダー: 投稿スケジュールをカレンダー形式で管理
    • 投稿ネタ帳: 思いついたアイデアをデータベースにストック
    • 運用マニュアル: 運用ルールや投稿の承認フローなどを一元管理

こんな企業におすすめ:

投稿の進捗管理や情報共有をスムーズに行いたいチーム。


6. 自社に合ったツールの選び方

多くのツールを紹介しましたが、すべてを導入する必要はありません。以下の3つのステップで、自社に必要なツールを見極めましょう。

  1. 現状の課題を洗い出す: 「投稿作成に時間がかかりすぎている」「どの投稿が効果的なのか分からない」など、まずは課題を明確にします。
  2. 課題を解決できるツールを選ぶ: 課題に合わせて、必要なカテゴリーのツールを選びます。(例: 時間がない→総合管理ツール、デザインが苦手→デザインツール)
  3. 無料プランやトライアルで試す: 多くの有料ツールには無料期間が設けられています。まずは実際に使ってみて、操作性や機能が自社に合っているかを確認してから、本格導入を検討しましょう。

7. まとめ

SNS運用の内製化は、適切なツールを導入することで、その効果を最大化できます。今回ご紹介した10個のツールは、いずれも私たちが実際に使ってみて、自信を持っておすすめできるものばかりです。

【カテゴリー別おすすめツールまとめ】

カテゴリーツール名特徴
総合管理Meta Business Suite無料の公式ツール。まずはここから。
Bufferシンプルで使いやすい。複数SNS対応。
Hootsuite高機能。チーム運用や承認フローに強み。
デザインCanvaSNS担当者の必須ツール。テンプレートが豊富。
Adobe ExpressAdobe製品との連携、高品質な素材が魅力。
CapCut無料で高機能な動画編集アプリ。
分析特化Social Insight国産ツール。競合分析や口コミ分析に強い。
IconosquareInstagram特化。美しいUIのレポート。
業務効率化ChatGPTアイデア出し、文章作成の時間を短縮。
Notionコンテンツカレンダーやネタ帳として活用。

最初からすべてを揃える必要はありません。まずは無料の「Meta Business Suite」と「Canva」から始めてみるのがおすすめです。

運用に慣れてきて、さらなる効率化や高度な分析が必要になったタイミングで、有料ツールの導入を検討しましょう。

ツールを賢く活用し、あなたの会社のSNS運用を、次のステージへと進めてください。


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執筆者プロフィール:

株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生

愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。

大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。