SNS内製化のメリット5選|コスト削減だけじゃない真の価値とは

はじめに

「SNS運用を内製化すれば、コストが削減できるのは分かっている。

でも、それ以外のメリットは何だろう?」 「コスト削減効果だけでは、社内を説明しきれない…」

SNS運用の内製化を検討する際、多くの企業がまず「コスト削減」というメリットに着目します。

確かに、月額数十万円にもなる外注費用を削減できるのは大きな魅力です。しかし、内製化の真の価値は、単なるコスト削減に留まりません。

実は、内製化には企業の成長を加速させる、5つの重要なメリットが隠されています。

それらは、ブランド価値の向上顧客との関係強化、そして組織全体のマーケティング力向上に直結する、お金には代えがたい価値を持つものです。

本記事では、SNS内製化がもたらす「コスト削減だけじゃない」真のメリットを、具体的な事例を交えながら徹底解説します。

この記事を読めば、内製化がなぜ今、多くの成長企業に選ばれているのか、その本質的な理由をご理解いただけるはずです。


目次

  1. メリット①: 圧倒的なコスト削減効果
  2. メリット②: 社内にノウハウという「資産」が貯まる
  3. メリット③: 顧客の声を直接聞き、サービス改善に活かせる
  4. メリット④: ブランドの世界観を100%体現できる
  5. メリット⑤: 変化に強い、スピーディな情報発信体制が手に入る
  6. まとめ: 内製化は未来への投資

メリット①: 圧倒的なコスト削減効果

まず、最も分かりやすく、多くの企業が内製化を目指す最大の動機となるのがコスト削減です。

SNS運用代行の費用相場は、業務範囲にもよりますが、一般的に月額10万円〜50万円ほどかかります。

もし、戦略立案や広告運用、インフルエンサーマーケティングまで含めると、月額100万円を超えることも珍しくありません。

【SNS運用代行の費用相場】

プラン月額費用主な業務内容
ライトプラン10〜20万円投稿代行、簡単なレポート
スタンダードプラン20〜50万円企画、投稿制作、コメント対応、月次レポート
プレミアムプラン50万円〜戦略立案、広告運用、インフルエンサー施策など全て

仮に月額30万円のスタンダードプランを1年間利用した場合、年間360万円ものコストが発生します。

一方、内製化した場合にかかるコストは、主に担当者の人件費ツールの利用料(月額数千円〜数万円)のみです。

担当者が他の業務と兼任する場合、実質的なコストをさらに抑えることが可能です。

試算例: – 外注費用: 月額30万円 × 12ヶ月 = 年間360万円

    – 内製化後: 担当者の人件費(月額40万円)の20%をSNS運用に充当 + ツール代(月額1万円) = 年間108万円削減額: 年間252万円

この削減できた252万円を、新商品の開発費用や、他のマーケティング施策(Web広告、展示会出展など)に再投資することで、企業はさらなる成長の機会を得ることができるのです。


メリット②: 社内にノウハウという「資産」が貯まる

コスト削減以上に重要なのが、SNS運用のノウハウが「会社の資産」として蓄積される点です。

運用を外部に丸投げしていると、たとえフォロワーが増えたり、売上が上がったりしても、「なぜ成功したのか」「どうすれば再現できるのか」という最も重要な知見が社内に残りません。

契約が終了すれば、またゼロからのスタートになってしまいます。

内製化すれば、日々の運用を通じて、以下のような実践的なノウハウがすべて社内に蓄積されます。

どんな投稿がユーザーに響くのか(コンテンツ企画ノウハウ)
どんなデザインや写真が目を引くのか(クリエイティブ制作ノウハウ)
どんなハッシュタグが効果的なのか(SEO/MEOノウハウ)
データをどう分析し、次に活かすのか(データ分析ノウハウ)
ユーザーとどうコミュニケーションを取ればファンになるのか(顧客対応ノウハウ)

これらのノウハウは、一度蓄積されれば、担当者が変わっても引き継ぐことができ、会社の永続的な資産となります。

将来的には、このノウハウを活かして新しいSNSプラットフォームに進出したり、新規事業のマーケティングに応用したりすることも可能です。


メリット③: 顧客の声を直接聞き、サービス改善に活かせる

SNSは、顧客と直接つながることができる貴重なチャネルです。

内製化することで、顧客のリアルな声をダイレクトに拾い上げ、商品開発やサービス改善に活かすことができます。

ユーザーからのコメントやDMには、

「この商品の、こういうところが使いにくい」 「もっと、こんな機能があったら嬉しい」 「〇〇のサービスについて、もっと詳しく知りたい」

といった、改善のヒント新たなニーズが隠されています。

外注の場合、これらの声は一度代行会社を経由するため、温度感が失われたり、重要なニュアンスが抜け落ちてしまったりすることがあります。

しかし、内製化していれば、商品やサービスを最もよく知る担当者が直接顧客と対話するため、声の背後にある本質的な課題や期待を深く理解することができます。

この「顧客とのダイレクトな対話」こそが、顧客満足度を高め、ロイヤルティを育み、最終的にLTV(顧客生涯価値)を最大化させる鍵となるのです。


メリット④: ブランドの世界観を100%体現できる

「このブランド、なんだか好きだな」 「ここの発信は、いつも心に響く」

ユーザーにそう感じてもらうためには、一貫したブランドの世界観(トーン&マナー)を伝えることが不可欠です。

内製化の大きなメリットは、自社のブランドや商品への深い愛情と理解を持つ社員が、その「想い」を込めて直接発信できる点にあります。

創業のストーリー
商品開発の裏側
社員の仕事への情熱
顧客への感謝の気持ち

こういった「数値化できない価値」は、外部の人間にはなかなか表現できません。

社員だからこそ語れるストーリーがあり、その熱量がユーザーの共感を呼び、心を動かすのです。

外注では、どうしても「正しく」「きれいに」まとまった、無難な発信になりがちです。

しかし、内製化すれば、多少不器用でも、人間味あふれる、その企業らしいユニークな発信が可能になります。

情報が溢れる現代において、この「らしさ」こそが、他の無数のアカウントとの差別化を図り、ユーザーに選ばれる強力な理由となります。


メリット⑤: 変化に強い、スピーディな情報発信体制が手に入る

SNSの世界は、トレンドの移り変わりが非常に速いのが特徴です。昨日まで流行っていたことが、今日にはもう古い、ということも日常茶飯事です。

このような環境でユーザーの注目を集めるには、スピード感が命です。

内製化していれば、

急なトレンドに合わせたコンテンツを即座に企画・投稿する
新商品のゲリラ発表をリアルタイムで行う
ユーザーからの質問やコメントにその場で回答する
万が一の炎上にも、状況を把握している社内担当者が迅速に対応する

といった、スピーディで柔軟な対応が可能になります。

外注の場合、投稿内容の確認や修正依頼に時間がかかり、絶好のタイミングを逃してしまうことが少なくありません。

内製化によって得られるこの「スピード」と「機動力」は、変化の激しい時代を勝ち抜くための強力な武器となるでしょう。


まとめ: 内製化は未来への投資

SNS運用の内製化がもたらすメリットを、改めて振り返ってみましょう。

メリット①: 圧倒的なコスト削減効果(年間数百万円のコストを削減)
メリット②: 社内にノウハウという「資産」が貯まる(再現性のある成功を生み出す)
メリット③: 顧客の声を直接聞き、サービス改善に活かせる(顧客志向の経営を実現)
メリット④: ブランドの世界観を100%体現できる(強力な差別化とファン化を促進)
メリット⑤: 変化に強い、スピーディな情報発信体制が手に入る(ビジネスチャンスを逃さない)

このように、SNS運用の内製化は、単なるコスト削減施策ではありません。

それは、ノウハウ顧客との関係性ブランド価値組織の機動力といった、企業の未来を支える無形の資産を築くための「未来への投資」なのです。

もちろん、内製化には担当者の育成や体制構築といった初期投資が必要です。

しかし、その投資を乗り越えた先には、外注では決して得られない、持続的な成長の果実が待っています。

「何から始めればいいかわからない」という方は、ぜひピラー記事である「SNS運用の内製化完全ガイド|5ステップで実現する自社運用の始め方」をご覧ください。内製化を成功させるための具体的なステップを、分かりやすく解説しています。


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執筆者プロフィール:

株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生

愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。

大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。