SNS内製化の費用は?初期・運用コストと外注との比較シミュレーション

「SNS運用を内製化したいが、結局いくらかかるのか?」 「運用代行を使い続けるのと、どちらがコストを抑えられる?」

SNS内製化を検討する上で、誰もが直面するのが「費用」の問題です。

内製化は長期的に見ればコスト削減に繋がると言われますが、その具体的な内訳や、運用代行との損益分岐点が分からず、決断に踏み切れない企業は少なくありません。

本記事では、SNS内製化にかかる費用を「初期コスト」と「運用コスト」に分解し、具体的な金額の目安を提示します。

さらに、運用代行を継続した場合との費用比較シミュレーションを通じて、内製化の投資対効果を明らかにします。

目次

  1. SNS内製化にかかる費用の全体像
  2. 【初期コスト】内製化の体制構築にかかる費用
  3. 【運用コスト】日々の運用にかかる費用
  4. 【費用比較】内製化 vs 運用代行 2年間シミュレーション
  5. コストを抑えて内製化を成功させる3つのポイント
  6. まとめ

1. SNS内製化にかかる費用の全体像

SNS内製化の費用は、大きく分けて以下の2つで構成されます。

1. 初期コスト

内製化を開始するために、最初に一度だけかかる費用です。主に、研修費用や機材・ツール導入費などが含まれます。

2. 運用コスト

内製化体制が整った後、日々の運用で継続的にかかる費用です。人件費やツール利用料などが主な内訳です。


2. 【初期コスト】内製化の体制構築にかかる費用

1. SNS研修費用

内製化を成功させる上で最も重要な投資です。

担当者が専門知識とスキルを体系的に学ぶための費用です。

  • 集合研修: 10万円〜50万円/回
  • 伴走型コンサルティング: 30万円〜100万円/月(3ヶ月〜6ヶ月契約が一般的)

ポイント: 単発の研修よりも、研修後も継続的にサポートしてくれる伴走型コンサルティングがおすすめです。

実践を通じてPDCAを回すことで、ノウハウが確実に社内に定着します。

2. 機材購入費用

コンテンツの質を高めるための機材費用です。

  • スマートフォン: 10万円〜20万円(最新の高画質モデルが望ましい)
  • カメラ(一眼レフなど): 15万円〜30万円(必須ではないが、より高品質な写真・動画を求める場合に)
  • 撮影用機材(三脚、照明など): 3万円〜10万円

3. PC・ソフトウェア導入費用

  • PC: 15万円〜25万円(動画編集などを行う場合は高性能なものが必要)
  • デザインソフト(Adobe Creative Cloudなど): 約7,000円/月

初期コスト合計(目安): 50万円 〜 200万円 ※伴走型コンサルの有無や機材のスペックによって大きく変動します。


3. 【運用コスト】日々の運用にかかる費用

1. 人件費

運用コストの中で最も大きな割合を占めます。担当者のアサイン人数や、SNS運用にかける時間によって変動します。

例:担当者2名(リーダー1名、メンバー1名)の場合 – リーダー(月収40万円): 40万円 × 50%(稼働率)= 20万円 – メンバー(月収30万円): 30万円 × 80%(稼働率)= 24万円 – 合計人件費: 月額44万円

2. SNS管理ツール利用料

予約投稿や効果測定を効率化するためのツール費用です。

  • 相場: 月額1万円〜10万円
  • 代表的なツール: SocialDog, Sprout Social, Laterなど

3. 広告・キャンペーン費用

投稿をより多くの人に届けたり、フォロワー獲得を加速させたりするための費用です。

  • 相場: 月額5万円〜30万円(目的に応じて調整)

運用コスト合計(目安): 月額50万円 〜 84万円


4. 【費用比較】内製化 vs 運用代行 2年間シミュレーション

内製化と運用代行、どちらが本当にコストを抑えられるのか、2年間のトータルコストで比較してみましょう。

【前提条件】内製化: 初期コスト150万円、運用コスト月額50万円 – 運用代行: 月額60万円(コンテンツ企画、投稿作成、レポート作成を依頼)

期間内製化コスト(累計)運用代行コスト(累計)差額(内製化が得)
6ヶ月450万円360万円-90万円
1年750万円720万円-30万円
1年3ヶ月900万円900万円0円(損益分岐点)
2年1,350万円1,440万円+90万円

シミュレーション結果1年3ヶ月で内製化のコストが運用代行のコストを下回り、損益分岐点を迎えます。

2年後には、内製化の方が90万円コストを抑えられる計算になります。

さらに重要なのは、内製化の場合、2年後には社内にSNS運用のノウハウやデータという「無形の資産」が蓄積されているのに対し、運用代行の場合は何も残らないという点です。

長期的に見れば、内製化のメリットは金額以上に大きいと言えます。

関連記事: SNS運用代行と内製化の違いとは?メリット・デメリットを徹底比較(執筆予定)


5. コストを抑えて内製化を成功させる3つのポイント

1. スモールスタートを心がける

最初から完璧を目指す必要はありません。

まずはスマートフォンでの撮影から始め、無料のデザインツール(Canvaなど)を活用するなど、コストをかけずに始められる方法を模索しましょう。

2. 既存の人材を育成する

SNS運用のために新たに人材を採用すると、採用コストと人件費が大きくかかります。

まずは、自社の商品やブランドに愛情を持つ既存の社員を育成することから始めるのがおすすめです。

3. 費用対効果の高い研修・コンサルを選ぶ

初期コストを惜しんで自己流で進めてしまうと、成果が出ずに時間と人件費を無駄にする可能性があります。

実績が豊富で、自社の目的に合った伴走型の研修・コンサルティングを選ぶことが、結果的に最も費用対効果の高い投資となります。


まとめ

SNS内製化は、初期投資こそかかるものの、1年〜1年半程度で運用代行よりコストメリットが生まれ、長期的には企業の大きな資産となる戦略的な一手です。

費用の内訳を正しく理解し、自社の状況に合わせて投資対効果をシミュレーションすることで、自信を持って内製化への一歩を踏み出すことができます。

本記事が、貴社のコストに関する意思決定の一助となれば幸いです。


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執筆者プロフィール

株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。 大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。