SNS採用の動画制作術|スマホ1台で求職者の心を掴む動画を作る全手順

テキストや写真だけでは伝えきれない、職場の「空気感」、社員の「人柄」、仕事の「熱量」。

これらをリアルに、そして感情的に伝えることができるのが「動画」です。

特に、TikTokやInstagramリールといったショート動画が情報収集の主流となった今、動画を制する者が採用を制すると言っても過言ではありません。

しかし、「動画制作なんて、専門的な機材やスキルが必要で難しそう…」「どんな動画を作れば、求職者に響くのか分からない…」と、多くの採用担当者が動画活用の高いハードルを感じています。

本記事は、そんな担当者様に向けて、高価な機材は一切不要、お手持ちのスマートフォン1台で、明日からすぐに実践できる採用動画の制作術を、企画から撮影、編集、そして配信のテクニックまで、その全手順を徹底的に解説する「完全ガイド」です。

第1章 なぜ今、採用活動に「動画」が必須なのか?

動画と静止画の効果の決定的違い

・情報量の差: 動画は1分間で、Webページ3,600ページ分の情報量に匹敵すると言われています。職場の雰囲気や社員の表情、仕事のダイナミズムを、短時間で圧倒的に多く伝えることができます。
・感情への訴求力: 映像と音楽、そして人の声が組み合わさることで、視聴者の感情に直接訴えかけ、共感や憧れを生み出しやすくなります。
・記憶への定着率: テキストで読んだ情報よりも、動画で見た情報の方が記憶に残りやすいという研究結果があります。

プラットフォーム別 動画戦略の基本

・Instagram: リールでの「認知獲得」と、ストーリーズでの「ファン化」を使い分ける。
・TikTok: トレンドを意識したエンタメ性の高いコンテンツで、Z世代を中心とした若年層に広くアプローチ。
・YouTube: 会社説明会や社員インタビューなど、じっくり見せる長尺コンテンツで、深い企業理解を促進。

第2章【企画に困らない】採用動画の種類と企画アイデア15選

採用動画の主な種類

  1. 会社紹介動画: 事業内容やビジョンを伝える。
  2. 社員インタビュー動画: 社員の生の声を通じて、仕事のやりがいやキャリアパスを伝える。
  3. オフィス/店舗ツアー動画: 働く環境の魅力を伝える。
  4. 1日密着動画: ある社員の1日を追い、リアルな働き方を伝える。
  5. 短尺動画(TikTok・Reels): 職場の雰囲気や社員の個性を伝え、親近感を醸成する。

すぐに使える企画アイデア15選

  • 【会社紹介系】: ①30秒でわかる事業内容、②社長が語る創業ストーリー、③数字で見る〇〇(自社)
  • 【社員紹介系】: ④新卒1年目のリアルな1日、⑤エース社員の仕事術、⑥部署対抗!〇〇対決、⑦休日の過ごし方紹介
  • 【仕事・環境紹介系】: ⑧オフィス/店舗ツアー、⑨ランチ紹介、⑩ユニークな福利厚生、紹介します!
  • 【エンタメ系】: ⑪〇〇(業界)あるある、⑫仕事猫パロディ、⑬上司と部下の〇〇やってみた、⑭NGシーン集、⑮トレンド音源でダンス

第3章【スマホ1台でOK】撮影の基本テクニック

撮影前の準備

・スマホの設定: グリッド線を表示させ、水平垂直を意識しやすくする。レンズは必ず綺麗に拭く。
・機材: スマホ用三脚(1,000円程度)があると、手ブレが劇的に改善します。マイクは、スマホ内蔵でも十分ですが、クリアな音声を録りたい場合はピンマイク(2,000円程度)がおすすめです。

撮影の4大原則

1.光を制する: 窓際など、自然光が顔に当たる場所で撮影するのが基本。逆光は絶対に避ける。
2.構図を意識する: 「三分割法」を意識し、人物を目線の高さで、画面の少し左右どちらかに寄せると、プロっぽい構図になります。
3.手ブレをなくす: 三脚を使うのがベスト。ない場合は、壁に寄りかかる、脇を締めるなどしてスマホを固定する。
4.音声をクリアに: 静かな環境で撮影するのが大前提。屋外の場合は、風の音が入らないように注意する。

第4章【無料アプリで簡単】動画編集の基本ステップ

PC用の高価な編集ソフトは不要です。

無料のスマホアプリ「CapCut」を使えば、プロ並みの編集が可能です。

CapCutを使った編集の5ステップ

  1. STEP1: カット編集: 撮影した動画の不要な部分(「えーっと」などの間や、言い間違い)をテンポよくカットしていく。これが最も重要です。
  2. STEP2: テロップ(字幕)の挿入: 「自動文字起こし」機能を使えば、AIが音声を認識して自動でテロップを生成してくれます。誤字脱字を修正し、読みやすいデザインに調整しましょう。
  3. STEP3: BGM・効果音の追加: 動画の雰囲気に合ったBGMを選びます。CapCutには著作権フリーの豊富な音源が用意されています。強調したい部分に「キラリーン」などの効果音を入れると、メリハリが出ます。
  4. STEP4: 色調補正: フィルター機能を使って、動画全体の色味を明るくしたり、おしゃれな雰囲気にしたりします。
  5. STEP5: 書き出し: 編集が終わったら、動画ファイルを書き出して完成です。

第5章 動画の成果を最大化する「伸ばす」テクニック

アルゴリズムに好かれる3つのポイント

1.冒頭の3秒が命(フック): 視聴者は最初の数秒で見るか見ないかを判断します。冒頭にインパクトのある映像や、気になるテロップ(例:「【悲報】営業の〇〇がやらかした…」)を入れ、視聴者の足を止めさせます。
2.視聴維持率を高める: テンポの良いカット、飽きさせない展開、面白いテロップや効果音を駆使し、最後まで見てもらう工夫を凝らします。
3.エンゲージメントを促す: 「皆さんの意見もコメントで教えてください!」など、いいね・コメント・保存・シェアといったアクションを動画内で促します。

内製か?外注か?

・内製: コストを抑えられ、スピード感がある。リアルな温度感が伝わりやすい。
・外注: クオリティが高い。しかし、費用がかかり、企業のリアルな魅力が伝わりにくくなる可能性も。

結論: まずは内製で始めることを強く推奨します。クオリティよりも、「リアルさ」と「継続すること」が、採用動画においては最も重要だからです。

まとめ:動画は、未来の仲間との「最初の面接」である

採用動画は、単なる会社紹介ツールではありません。それは、求職者が貴社と初めて出会う「最初の面接」です。

動画を通じて伝わる社員の表情や職場の雰囲気は、どんな美辞麗句よりも雄弁に、企業のリアルな魅力を語ります。

完璧な動画である必要はありません。スマホ1台で、まずは1本、作ってみること。

その小さな一歩が、未来のエース社員との出会いを引き寄せる、大きな一歩となるはずです。

執筆者プロフィール

株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。

大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。