「SNS担当者を育成したいが、研修費用が捻出できない」 「コストを理由に、社員のスキルアップ機会を諦めてしまっている」
企業の成長に不可欠な人材育成。特に、変化の速いSNSマーケティングの分野では、継続的な学習が欠かせません。
しかし、研修にかかるコストが、導入の大きな障壁となっている企業は少なくないでしょう。
もし、あなたが費用を理由にSNS研修をためらっているなら、ぜひ知ってほしい制度があります。
それが、国や地方自治体が提供する「助成金・補助金」です。
本記事では、SNS研修の費用に活用できる代表的な助成金・補助金制度を分かりやすく解説し、申請のポイントから注意点までを網羅します。
目次
- なぜSNS研修に助成金が使えるのか?
- 【国】代表的な助成金「人材開発支援助成金」とは
- 「人材開発支援助成金」の対象となる研修と助成額
- 【地方自治体】独自の補助金制度
- 申請する際の注意点と成功のポイント
- まとめ
1. なぜSNS研修に助成金が使えるのか?
国や地方自治体は、企業の競争力強化と雇用の安定を目指しており、そのために従業員のスキルアップ(人材育成)を積極的に支援しています。
SNS運用スキルは、現代のビジネスにおいて企業の売上やブランド価値向上に直結する重要な専門スキルと位置づけられています。
そのため、SNS研修も「人材育成」の一環として、多くの助成金・補助金の対象となるのです。
これらの制度をうまく活用すれば、研修費用の一部(場合によっては大半)が国や自治体から支給されるため、企業はコストを大幅に抑えて、質の高い研修を社員に提供できます。
2. 【国】代表的な助成金「人材開発支援助成金」とは
SNS研修で最も活用しやすいのが、厚生労働省が管轄する「人材開発支援助成金」です。
これは、事業主が従業員に対して、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練などを計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。
この助成金にはいくつかのコースがありますが、SNS研修では主に以下の2つのコースが利用できます。
・人材育成支援コース: 職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練
・事業展開等リスキリング支援コース: 新規事業の立ち上げなど、事業展開に伴い必要となる知識・技能を習得させるための訓練
3. 「人材開発支援助成金」の対象となる研修と助成額
対象となる研修
・社外の研修会社が実施する研修(Off-JT)であること。
・訓練時間が10時間以上であること。
SNS研修の多くはこれらの条件を満たしており、特に数ヶ月にわたって実施される「伴走コンサル型」の研修は、助成金の対象として非常に相性が良いと言えます。
助成額・助成率
助成額は、企業の規模(中小企業か大企業か)や訓練内容によって異なります。
【人材育成支援コースの例(Off-JT)】
| 区分 | 経費助成率 | 賃金助成額(1人1時間あたり) |
|---|---|---|
| 中小企業 | 45% (60%) | 380円 (480円) |
| 大企業 | 30% (45%) | 760円 (960円) |
※()内は、生産性要件を満たした場合の割増助成率・額です。
シミュレーション例 中小企業が、費用50万円、合計20時間のSNS研修を実施した場合… – 経費助成: 50万円 × 45% = 22.5万円 – 賃金助成: 380円 × 20時間 = 7,600円 – 合計助成額: 232,600円
実質的な負担額を半分以下に抑えることが可能です。
関連記事: SNS研修の費用相場と効果を最大化する選び方
4. 【地方自治体】独自の補助金制度
国だけでなく、各都道府県や市区町村も、地域経済の活性化を目的として、独自の補助金制度を設けている場合があります。
・DX(デジタルトランスフォーメーション)推進補助金
・中小企業経営力強化支援補助金
・ITツール導入補助金
これらの補助金の中に、人材育成やIT研修に関する項目が含まれていることが多く、SNS研修も対象となる可能性があります。
探し方: 「(貴社の所在地) 中小企業 補助金」「(貴社の所在地) DX 補助金」などのキーワードで検索したり、地域の商工会議所に相談したりするのがおすすめです。
5. 申請する際の注意点と成功のポイント
1. 研修開始前に計画届の提出が必要
最も重要な注意点です。助成金は、研修を開始する前に「訓練実施計画届」を労働局に提出し、認定を受ける必要があります。
研修が始まってから、あるいは終了してから申請することはできません。
2. 申請手続きは複雑で時間がかかる
申請には、多数の書類作成や計画書の策定が必要となり、専門的な知識が求められます。
通常業務と並行して行うのは大きな負担となります。
成功のポイント: 研修会社や社労士に相談する
多くのSNS研修会社は、助成金申請のサポート実績が豊富です。
申請を検討している場合は、研修会社に助成金の活用が可能か、申請サポートをしてもらえるかを最初に確認しましょう。
また、社会保険労務士(社労士)は助成金申請の専門家であり、手続きの代行を依頼することも有効な手段です。
まとめ
SNS研修の費用は、助成金や補助金を活用することで、企業の負担を大幅に軽減できます。
コストを理由に人材育成を諦める前に、まずは自社で活用できる制度がないか調べてみましょう。
助成金活用のステップ
1. 導入したいSNS研修を探す
2. 研修会社に助成金の活用実績やサポートの可否を確認する
3. 厚生労働省や自治体のウェブサイトで制度の詳細を確認する
4. 研修開始の1ヶ月以上前に、計画届を提出する
未来への投資である人材育成を、国の制度を賢く活用して、賢く進めていきましょう。
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執筆者プロフィール
株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。
大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。
