X(Twitter)内製化の始め方|企業アカウント成功のための5ステップ

リアルタイム性と拡散力に優れたX(旧Twitter)は、今なお多くの企業にとって強力なマーケティングツールです。

しかし、その独特な文化と速い情報スピード故に、「何を発信すればいいか分からない」「炎上が怖い」と感じ、活用に踏み切れない企業も少なくありません。

本記事では、Xの企業アカウント運用を内製化し、ファンを増やし、ビジネス成果に繋げるための具体的な5つのステップを、初心者にも分かりやすく解説します。

目次

  1. なぜ今、X(Twitter)なのか?
  2. X内製化の5ステップ
  3. 成功する企業アカウントの3つの共通点
  4. X運用で注意すべきこと
  5. まとめ

1. なぜ今、X(Twitter)なのか?

InstagramやTikTokなど新しいSNSが登場する中でも、Xがビジネスで活用され続けるのには明確な理由があります。

圧倒的な拡散力(リポスト機能)

ユーザーが面白いと感じた投稿は、リポスト(旧リツイート)によって瞬く間に拡散されます。

うまくいけば、広告費をかけずに数百万人に情報を届けることも可能です。

リアルタイムな情報発信

速報性が非常に高く、新商品の発表、キャンペーンの告知、イベントの実況中継などに最適です。

顧客との直接的なコミュニケーション

リプライやDMを通じて、顧客と直接対話ができます。

顧客の生の声(VOC)を収集し、商品開発やサービス改善に活かすことができます。


2. X内製化の5ステップ

ステップ1: 目的とKGI/KPIを設定する

まず最初に、「何のためにXを運用するのか」という目的を明確にします。

目的の例

・ブランドの認知度向上
・ECサイトへの送客数増加
・採用応募者数の増加
・顧客ロイヤルティの向上

目的が決まったら、それを測定するための具体的な数値目標(KGI/KPI)を設定します。

KPIの例

・インプレッション数: 月間100万回
・プロフィールへのアクセス数: 月間1万回
・URLクリック数: 月間5,000回
・フォロワー増加数: 月間500人

ステップ2: アカウントのコンセプトとペルソナを決める

次に、アカウントの「中の人」のキャラクター(ペルソナ)を設定します。ユーザーは企業そのものではなく、「人」とコミュニケーションを取りたいと考えています。

ペルソナ設定の項目

・名前、年齢、性別
・役職、担当業務
・性格(例: 親しみやすい、専門家、ユーモラス)
・口調(例: ですます調、〜だよね調)

ペルソナを決めることで、投稿内容やユーザーとのコミュニケーションに一貫性が生まれます。

ステップ3: コンテンツの方向性を決める

誰に、何を、どのように伝えるか、コンテンツの基本方針を定めます。

コンテンツの例

・お役立ち情報(ノウハウ、豆知識)
・自社商品・サービスの紹介
・開発の裏側、社員の紹介
・業界ニュース、トレンド情報
・ユーザーとのコミュニケーション(質問、アンケート)

これらのコンテンツをバランス良く投稿することが重要です。

一般的に、「お役立ち情報:コミュニケーション:宣伝 = 8:1:1」の割合が良いとされています。

ステップ4: 運用体制とルールを構築する

誰が、いつ、何をするのか、具体的な運用体制とルールを決めます。

運用体制の例

・投稿作成担当
・ユーザーコミュニケーション担当
・分析・レポート担当

運用ルールの例

・投稿頻度: 1日3回(朝、昼、晩)
・リプライへの返信ルール
・炎上時のエスカレーションフロー

ステップ5: 分析と改善を繰り返す

投稿して終わり、ではありません。

Xアナリティクスや外部ツールを使い、定期的にデータを分析します。

分析する指標の例

・どの投稿のエンゲージメント率が高かったか?
・どの時間帯の反応が良かったか?
・フォロワーはどのような層か?

分析結果をもとに、「なぜこの投稿は伸びたのか?」という仮説を立て、次の投稿に活かすPDCAサイクルを回し続けます。

関連記事: SNS運用の内製化完全ガイド|5ステップで実現する自社運用の始め方


3. 成功する企業アカウントの3つの共通点

1. 「中の人」のキャラクターが立っている

成功しているアカウントは、企業名を背負いながらも、一人の人間としての個性が感じられます。

ユーザーは、その「中の人」に親近感を覚え、ファンになります。

2. ユーザーとの対話を楽しんでいる

一方的な情報発信だけでなく、リプライや引用リポストで積極的にユーザーと交流しています。

時には自社の投稿と関係ない会話で盛り上がることもあり、そのオープンな姿勢が信頼に繋がります。

3. 失敗を恐れず、正直である

時には自虐的な投稿や、失敗談を正直に語ることで、ユーザーからの共感を得ています。

完璧すぎない「人間らしさ」が、Xでは魅力的に映ります。


4. X運用で注意すべきこと

炎上リスクへの備え

政治、宗教、ジェンダーなど、意見が分かれる話題には触れないのが賢明です。

万が一、不適切な投稿をしてしまった場合は、迅速に事実関係を認め、誠実に謝罪することが重要です。

過度な宣伝はNG

宣伝ばかりのアカウントは、ユーザーに敬遠されます。

あくまで「ユーザーのためになる情報」を発信することを第一に考えましょう。


まとめ

X(Twitter)の内製化は、単なる情報発信ツールの導入ではありません。顧客と直接繋がり、ファンを育て、ブランドを成長させるための強力な戦略です。

X内製化 成功のポイント

・目的とKPIを明確にする
・「中の人」のペルソナを設定する
・ユーザーとの対話を楽しむ

本記事で紹介した5つのステップを参考に、ぜひX運用の内製化に挑戦してみてください。


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執筆者プロフィール

株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生 愛媛県主催のSNSセミナー講師も務める。 大手企業~中小企業まで100社以上のSNS内製化支援実績を持つ。