X(Twitter)採用とは?メリットと進め方・活用パターンを解説

「求人媒体に掲載しても応募が集まらない」「採用コストを抑えながら採用活動を進めたい」。

そんな課題を抱える企業から、SNSを活用した採用活動が注目されています。なかでもX(旧Twitter)は、高い拡散力を活かして、求人媒体では接点を持ちにくい層にも企業の魅力を届けられる手法のひとつです。

一方で、「炎上が心配」「運用を続けられるか不安」「何を成果指標にすればよいかわからない」といった理由から、導入をためらう企業もあります。

この記事では、X(Twitter)採用の基本やメリット・デメリット、導入の流れをわかりやすく解説します。

また、SNS運用支援で培った知見をもとに、継続的な運用のポイントや炎上対策、効果測定の考え方など、実務で押さえておきたいポイントも紹介します。

X(Twitter)採用とは?

X(Twitter)採用とは、企業が採用活動の一環としてX(旧Twitter)のアカウントを運用し、自社の事業や働く環境、社員の様子などを発信しながら、求職者との接点を広げていく採用手法です。

求人媒体や人材紹介だけに頼る採用とは異なり、企業自ら情報を発信することで、自社に興味を持った人とのコミュニケーションを深められる点が特徴です。

SNSを活用して求職者との接点を築く「ソーシャルリクルーティング」の代表的な手法のひとつです。

X採用が注目される背景

近年は、求人媒体や人材紹介だけでは十分な応募者を集めにくいと感じる企業もあり、採用コストや人材確保に課題を抱えるケースが増えています。

そこで注目されているのが、転職を積極的に考えている人だけでなく、情報収集の段階にある人にも企業の魅力を届ける取り組みです。

Xは国内での利用者が多く、月間アクティブユーザー数は6,800万人ともいわれています。

日常的な情報収集の場として定着しているSNSのひとつであり、リポストによってフォロワー以外にも情報が届く可能性があります

採用情報や企業の日々の発信を通じて、これまで接点のなかった人に自社を知ってもらえる点が、X採用が注目される理由のひとつです。

「X採用」が指す2つの意味

「X採用」という言葉は、企業が採用活動にX(旧Twitter)を活用することを指す場合もあれば、X社への就職・転職を指す場合もあります。

本記事で扱うのは前者の「企業が採用活動にXを活用する方法」です。

X社の求人情報を探している方は、X社の公式アカウントや採用情報をご確認ください。

X(Twitter)採用の主なメリット

ここでは、X(Twitter)採用を取り入れることで得られる主なメリットを4つ紹介します。

拡散力で潜在層にアプローチできる

Xの大きな特徴のひとつが、情報が幅広いユーザーに届きやすいことです。

投稿はフォロワーだけでなく、リポストによってフォロワー以外のユーザーの目に触れる可能性があります

そのため、求人媒体だけでは接点を持ちにくい人や、すぐに転職を考えていない潜在層にも、自社を知ってもらうきっかけを作れます。

発信内容によっては多くのユーザーへ情報が広がる可能性がある点は、Xを採用活動に活用するメリットのひとつといえるでしょう。

採用コストを抑えられる

Xはアカウントを無料で開設できるため、比較的低コストで採用活動を始められます

求人媒体への掲載や人材紹介のように、利用のたびに費用が発生する手法と比べると、初期費用を抑えやすい点が特徴です。

もちろん、運用を担当する人員や制作の工数などのコストはかかります。

しかし、継続して情報を発信することでフォロワーや過去の投稿が蓄積され、採用広報の基盤として長期的に活用しやすくなります

社風や職場の雰囲気を伝えられる

Xでは、社員の日常や社内イベント、仕事の様子などを継続的に発信できます。

こうした情報は、求人票や募集要項だけでは伝えきれない職場の雰囲気を知ってもらうきっかけになります。

応募を検討している人が企業への理解を深められることで、入社後のイメージとのずれを減らしやすくなるでしょう。

また、画像や動画を組み合わせることで、文章だけでは伝えにくい職場の様子や企業文化も視覚的に伝えられます。

求職者と直接コミュニケーションできる

Xでは、リプライやダイレクトメッセージ(DM)を通じて、求職者や企業に興味を持ったユーザーと直接やり取りできる場合があります。

疑問や質問に対して迅速かつ丁寧に対応することで、企業への理解を深めてもらいやすくなるでしょう。

また、一方的に情報を発信するだけでなく、継続的なコミュニケーションを通じて接点を持てることもXの特徴です。

こうしたやり取りが、応募を検討するきっかけにつながることもあります。

X(Twitter)採用のデメリット・注意点

X(Twitter)採用にはさまざまなメリットがある一方で、導入前に把握しておきたい注意点もあります。

ここでは、運用を始める前に知っておきたい主なポイントを紹介します。

炎上リスクがある

Xは情報が広く拡散されやすい反面、不適切な投稿や誤解を招く内容も短時間で多くのユーザーに届く恐れがあります。

意図しない表現が批判につながり、企業の信頼やブランドイメージに影響を及ぼすケースもあるため、慎重な運用が求められます。

そのため、投稿前の確認体制や運用ルールをあらかじめ整備しておくことが重要です。

炎上への対応だけでなく、リスクを未然に防ぐ仕組みを用意しておくことで、安心して運用を続けやすくなります。

継続的な運用体制が必要

X採用は、一度投稿しただけですぐに応募につながる手法ではありません。

企業の認知を広げたり、フォロワーとの接点を増やしたりするには、継続的な情報発信が必要不可欠です

更新が長期間止まると、採用活動を行っているのか分かりづらくなり、応募を検討している人に不安を与える可能性もあります。

そのため、担当者や投稿頻度をあらかじめ決め、無理なく運用を続けられる体制を整えておくことが大切です

大量採用・短期の成果には向かない

X採用は、継続的な情報発信を通じて企業の認知を高め、応募を検討する人との接点を増やしていく採用手法です。

そのため、短期間で多くの人材を採用したい場合は、十分な成果を得られないことがあります

採用人数や採用時期が明確に決まっている場合は、求人媒体や人材紹介など、他の採用手法と組み合わせて活用することも有効です

採用目的やスケジュールに応じて複数の手法を使い分けることで、より効率的な採用活動につながります。

X(Twitter)採用が向いている企業・向いていない企業

X採用は、企業の特徴や採用方針によって向き・不向きがあります。

まずは、自社の採用課題や運用体制と照らし合わせながら、活用が適しているかを確認してみましょう。

【X採用が向いている企業】

・社風や働く環境を積極的に発信したい企業
・若手人材やIT・デジタル領域の人材との接点を増やしたい企業
・継続的に情報発信を行える担当者や運用体制がある企業
・採用ブランディングを中長期的に進めたい企業

【X採用が向いていない企業】

・短期間で多くの人材を採用する必要がある企業
・SNS運用に割ける人員や時間を確保しにくい企業
・継続的に発信できる情報やテーマが少ない企業

すべての企業にX採用が適しているわけではありません。

採用目的や採用人数、社内のリソースを踏まえたうえで、自社に合った採用手法を選択することが大切です。

X(Twitter)採用の進め方【5ステップ】

X採用を成功させるには、アカウントを開設するだけでなく、運用方針や発信内容を計画的に設計することが大切です。

ここでは、導入から運用までの基本的な進め方を5つのステップに分けて紹介します。

STEP1 アカウントのコンセプト・運用方針を決める

まずは、採用アカウントの目的や運用方針を明確にしましょう。

誰に向けて情報を発信するのか、どのような内容を届けたいのかを整理し、採用ターゲットに合わせて発信テーマや表現のルールを決めます

あわせて、運用を担当する人や投稿頻度、応募獲得や認知向上といった目的も事前に共有しておくことが大切です。

運用ルールを最初に決めておくことで、発信内容に一貫性を持たせやすくなり、継続的な運用にもつながります。

STEP2 プロフィールと固定ポストを整える

プロフィールは、採用アカウントの第一印象を左右する重要な要素です

企業名や事業内容に加え、採用アカウントであることや、どのような情報を発信しているのかが分かる内容にしておきましょう。

アイコンやヘッダー画像も、企業の雰囲気が伝わるものを設定すると効果的です。

また、募集職種や採用ページへのリンクなど、応募につながる情報は固定ポストにまとめておくことをおすすめします。

プロフィールを訪れた人が必要な情報へ迷わずアクセスできるようになり、応募までの流れを分かりやすく整えられるでしょう。

STEP3 発信内容を設計し継続的に投稿する

採用アカウントでは、応募を検討している人が知りたい情報を継続的に発信することが大切です

あらかじめ投稿内容をカテゴリごとに整理しておくと、更新を続けやすくなります。

例えば、社員インタビュー、仕事内容、社内イベント、募集職種の紹介、福利厚生などをテーマとして設定しておくとよいでしょう。

また、文章だけでなく写真や動画も活用することで、職場の雰囲気や働く様子をより具体的に伝えられます。

無理のない投稿スケジュールを設定し、一貫した内容で情報発信を続けることが、採用アカウントの信頼性や認知の向上につながります

STEP4 求職者とのコミュニケーション・応募までの流れを整える

投稿にコメントや質問が寄せられた際は、できるだけ速やかに丁寧な対応を心がけましょう。

日々のやり取りを通じて疑問や不安を解消することは、企業への理解を深めてもらうきっかけになります。

また、採用ページや応募フォームへのリンクを分かりやすい場所に掲載し、応募までの流れをできるだけシンプルにしておくことも大切です

興味を持った人が必要な情報をすぐに見つけられるようにすることで、応募までスムーズにつなげやすくなります。

STEP5 効果測定と改善を行う

アカウントを運用し始めたら、定期的に投稿の成果を確認し、改善を重ねていくことが大切です

投稿ごとの表示回数やエンゲージメント、プロフィールへのアクセス数、採用ページへの遷移数などを確認することで、どのような発信が求職者の関心を集めているのかを把握できます

分析結果をもとに投稿内容や更新頻度、発信テーマを見直していくことで、より効果的な運用につなげやすくなります。

具体的にどの指標を確認し、どのように改善へ活かすのかについては、次の「実務編」で紹介します。

【実務編】X採用でつまずかないための運用ポイント

ここでは、X採用を運用する際に多くの企業が直面しやすい課題と、その対応方法を紹介します。

100社以上のSNS運用支援で得た知見をもとに、アカウント運用を継続するために押さえておきたい実践的なポイントを解説します。

運用担当者の属人化を防ぎ、継続できる体制を整える

X採用では、担当者の個性を活かした発信が企業の魅力につながることもあります。

一方で、運用を一人に任せきりにすると、異動や退職などがあった際に更新が滞ったり、運用方法が引き継がれなかったりする恐れもあります

こうしたリスクを防ぐためには、担当者個人ではなく、組織として運用できる仕組みを整えておくことが大切です。

投稿ルールや承認フローを文書化し、複数人が対応できる体制を構築しておけば、担当者が変わっても安定した運用を続けやすくなります。

また、アカウント情報やログイン方法も適切に管理し、スムーズに引き継げる環境を整備しておきましょう。

炎上を未然に防ぐ投稿チェック・運用ルールを整える

Xは拡散力が高いからこそ、投稿内容によっては企業の信頼に影響を及ぼす恐れがあります。

そのため、問題が起きてから対応するのではなく、日頃から投稿内容を確認する仕組みを整えておくことが重要です

例えば、投稿前に複数人で内容を確認する、政治・宗教・社会的に意見が分かれやすい話題の取り扱いについて社内ルールを決めておく、予約投稿が社会情勢やニュースと重ならないかを確認する、といった対策が考えられます。

また、万が一トラブルが発生した場合に備えて、対応手順や責任者を事前に決めておくことで、落ち着いて対応しやすくなるでしょう。

フォロワー数だけでなく応募までの流れを確認して運用する

X採用では、フォロワー数の増加だけを目標にするのではなく、応募につながるまでの流れを確認しながら運用することが大切です

フォロワーが増えていても、採用ページへのアクセスや応募数に変化がなければ、運用方法を見直す必要があるかもしれません。

例えば、投稿の表示回数やプロフィールへのアクセス数、採用ページへの遷移数、応募数などを継続的に確認することで、改善すべきポイントが把握しやすくなります。

数値をもとに発信内容や応募ページまでの流れを見直しながら運用を続けることで、採用活動の成果につながりやすくなるでしょう。

X(Twitter)採用の主な活用パターン

X採用では、企業の特徴や採用ターゲットに合わせてさまざまな情報発信が行われています。

ここでは、実際によく見られる活用パターンを3つ紹介します。

①社員や職場の雰囲気を伝える発信

社員インタビューや一日の仕事の様子、社内イベントなどを紹介し、企業文化や働く環境を伝えるパターンです。

入社後のイメージを持ちやすくなるため、社風との相性を重視する求職者への情報発信として活用されています。

②仕事内容や事業内容を紹介する発信

募集職種の業務内容やプロジェクト、サービス開発の裏側などを発信することで、仕事への理解を深めてもらう取り組みです。特にIT企業やメーカーなど、専門性の高い職種の採用で取り入れられることがあります。

③採用情報やイベントを案内する発信

募集開始のお知らせや会社説明会、カジュアル面談、採用イベントなどの情報を発信するパターンです。

応募を検討している人へタイムリーに情報を届けられるため、他の発信と組み合わせて運用している企業もあります。

業種や企業規模によって発信内容は異なりますが、求人情報だけを掲載するのではなく、企業の雰囲気や働く人の様子を継続的に発信している企業が多く見られます。

自社と近い業種の採用アカウントを参考にしながら、自社に合った発信内容を検討するとよいでしょう。

X広告・X Hiringを活用して応募機会を増やす

通常の投稿だけでは十分に情報が届かない場合は、X広告やX Hiringなどの機能を活用する方法もあります。

採用目的や募集状況に応じて取り入れることで、より多くの求職者へ情報を届けたり、応募につながる機会を増やしたりすることが期待できます。

ここでは、X広告とX Hiringの特徴や活用する場面を紹介します。

X広告で情報を届けられる範囲を広げる

通常の投稿だけでは、採用情報が届けたい人に十分届かないこともあります。

そのような場合は、X広告を活用して、特定の地域や興味・関心を持つユーザーへ情報を配信する方法もあります。

例えば、会社説明会の告知や新たな募集職種の案内など、短期間で多くの人へ情報を届けたい場面で有効です。

広告費は配信条件や期間によって異なるため、採用目的や予算に合わせて利用を検討するとよいでしょう。

X Hiring(求人掲載機能)とは

X Hiringは、企業が求人情報を掲載できる機能です。

通常の投稿とは別に募集職種を掲載できるため、採用情報を探しているユーザーにも情報を届けやすくなります。

導入を検討する際は、利用条件や提供対象、利用できる機能などを事前に確認しておくことが大切です。

サービス内容は変更される場合があるため、最新の情報はXの公式サイトで確認するとよいでしょう。

運用に不安があるときは採用SNSの運用支援サービスも

X採用は、自社の魅力を継続的に発信できる採用手法ですが、運用を続けるためには一定の時間や体制が必要です。

社内のリソースが限られていたり、SNS運用の経験が少なかったりする場合は、思うように取り組みを進められないこともあります。

そのような場合は、採用SNSの運用支援サービスを活用する方法もあります。

アカウント設計や投稿内容の企画、運用ルールの整備、効果測定など、必要な業務を外部の専門会社に相談することで、社内の負担を抑えながら運用を進めやすくなります。

butartでは、100社以上のSNS運用支援で得た知見をもとに、採用課題や運用体制に合わせたサポートを行っています。

X採用の導入や運用に不安がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

X(Twitter)採用は、企業の魅力や働く環境を継続的に発信し、求人媒体だけでは接点を持ちにくい求職者へ情報を届けられる採用手法のひとつです。

一方で、成果につなげるためには、継続して運用できる体制づくりや投稿ルールの整備、定期的な効果検証を行いながら、改善を重ねていくことが重要です。

自社の採用目的や運用体制に合わせてX採用を取り入れることで、採用活動の選択肢を広げられる可能性があります。

運用に不安がある場合や社内での対応が難しい場合は、採用SNSの運用支援サービスを活用することも検討してみるとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. フォロワーが少なくても応募につながりますか?

A. フォロワー数が多くなくても、応募につながる可能性はあります

X採用では、フォロワー数だけでなく、採用したい人材に届く情報発信や、リポストによる拡散も重要です。

継続的に発信を続けることで、自社を知ってもらう機会を増やせます。

Q. TwitterとXは違うのですか?

A. 同じサービスです。

旧「Twitter」が「X」へ名称変更したもので、採用活動での活用方法に大きな違いはありません。

Q. Xで求人情報を無料で発信できますか?

A. アカウントの開設や通常の投稿は無料で利用可能です。

より多くの人へ採用情報を届けたい場合は、X広告などの有料機能を活用する方法もあります。

Q. 炎上を防ぐためには何を意識すればよいですか?

A. 投稿前に複数人で内容を確認する体制を整えたり、投稿を避けるテーマをあらかじめ決めたりすることが大切です。

また、トラブルが発生した場合の対応手順も事前に整理しておくと、落ち着いて対応しやすくなります。

Q. どのような企業がX採用に向いていますか?

A. 企業文化や働く環境を継続的に発信できる企業や、若手人材・専門職などへ幅広く情報を届けたい企業に適しています。

短期間で多くの人材を採用したい場合は、求人媒体や人材紹介など、他の採用手法と組み合わせて活用することも検討するとよいでしょう。

この記事を書いた人

山口 裕生

株式会社but art 代表取締役社長 山口 裕生
京都大学を卒業、大手人材会社を経てD2Cアパレルベンチャーを創業メンバーとして参画。
数多くのブランドを0から立ち上げSNS、ライブ配信などを駆使してグロースをしてきた。

大手企業~中小企業まで100社以上のSNS運用代行、内製化支援実績を持ち、自治体主催のSNSセミナー講師も務めるなど研修にも力を入れている。